2018年03月01日

悪魔のトリセツ No.89 柔らかい靴と堅い靴の働き

履きやすい靴の条件のひとつに、柔らかいアッパー(甲革)であることが挙げられます。
柔らかくて、足の締め付けがなくて、いかにも快適にリラックスできそうです。
リラックスするときは、活発に動くわけではないので、締め付けのない、柔らかい靴はうってつけです。「柔らかいこと」は、リラックスシューズとして利点ですね。

しかし、履きやすい事と、歩きやすい事とは、違う条件です。

履きやすいとは、簡単に足を入れやすい、ということ。簡単に足を入れやすいのは、簡単に脱げやすい事も含みます。

そして、「柔らかい」アッパーの靴の弱点は、アッパーが「柔らかい」ことです。靴の底はしっかり堅く作って地面に落ちている石など危険なものを踏み抜かないように作られているのに対して、アッパーが柔らかいと、例えば履き口の大きい靴下に堅い底が着いているような状態です。
活発に動くとき、からだの動きも大きくなり、歩くときの加速も増します。柔らかいアッパーは、その激しい動きを受け止める事が出来ず、堅い部分があればそこで力を分散できるはずなのに、進行方向である爪先部分に強く押し付けられてしまったりします。爪先を傷めるだけでなく、その状態で長期に渡って常用すると、身体全体に害を及ぼす「悪魔の靴」になりかねません。

リラックスしたいときは大して動かないので、柔らかいアッパーの靴が向いています。例えばすぐに脱ぎ履きしたいときにも、この条件は当てはまるでしょう。
それに対して、家から出て、しばらく歩きたいときは、アッパーが堅い靴が、靴の底に動き回る足をしっかり繋ぎ止めてくれます。

お出掛け先に合わせて、アッパーの固さを選ぶことは、とても大切なことです。

靴は、使う条件に因って使いやすさの基準が変わります。
ある時は「良い靴」
ある時は「悪魔の靴」となるのです。

今日のお出掛けに、その靴は合っていますか?もし不安があるなら、念のために、履き替え用の靴を持って出掛ける事をお薦めします。

上級シューフィッター /ウォーキングマスター/レザーソムリエ 永田聖子
posted by kemix4 at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月28日

スポーツシューズの基礎知識

先日シューフィッターの補習講座に出席してきました。講義内容は「スポーツシューズの基礎知識」
講師は元アシックスの池田ノリアキ先生です。池田先生はアシックスで製造販売に長く携わり現在はフリーで講演活動を中心におこなっていらっしゃいます。
昨秋放映された「陸王」でも取り上げられたスポーツシューズについての講義でしたが、僕はいつもは革靴を販売しているので今回のお話は本当にためになる内容満載でした。

DSC_2818.JPG

ポイントを絞ると
1.スポーツシューズのラスト(木型)は革靴のラストとは違う
 これはとても重要な話です。簡単に言えばスポーツシューズのラストは捨て寸(つま先余裕)を考えていません。革靴は捨て寸込のサイズ表示ですので、24センチの足長の人は基本24センチの靴が合うことが多いのです。
しかしスポーツシューズは捨て寸(約1p)を考えていないラストのため、24pの人が24pのスポーツシューズを履くと指先がきつくなってしまうのです。ですから革靴よりの一つ上のサイズを選んだ方が良い場合が多い。
 これでよくある失敗は、「学生時代スニーカーばかりで基本24pを履いていた、社会人になって革靴を履くことが多くなったのだがサイズは相変わらず24pです」という方です。たぶんその革靴は緩い可能性が高いですよ。

2.スポーツビギナー用とアスリート用ではラストはもちろん、底材の作りも違う
 ・ビギナー用の底は、ねじれを防止する。アスリート用は正しい方向にねじれるように設計されている。

3.見た目にはわからないが男性用と女性用は、それぞれラストも使っている材料の厚みも違う

4.使用している紐も使用目的によって変えている。たとえば、マラソン・陸上・サッカーとトレッキング・ハイキングとランニング・ウオーキングは違う紐が使われている

5.革靴とスポーツシューズでは紐の締め方が違う

6.ひもを締める時は必ずつま先を挙げかかとを固定する。最後まで踵をつけつま先は上げたままで締める

まだまだ知らないことが多いと感じました。運動競技によって靴も変わるということでしたが、基礎編ということでそのあたりはあまり話に出てこなかったのでぜひ応用編も聞きたいと思います。

   上級シューフィッター  林 美樹
posted by ミッキー at 00:00| Comment(0) | 靴と足 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月25日

ヴィンテージスチールとりつけについて

ブログを見ていただきありがとうございます。
今回は、こんなご相談をいただきました。
新しい靴をおろして数回履いただけで、いつもつま先が極端に削れてしまうとのこと。
今回の靴はダブルソールなので、履きならすのにも時間がかかりそうです。
そんな時には....
つま先にヴィンテージスチールをとりつけます。
スチール.jpg
ハーフソールも一緒にしました。

ヴィンテージスチールをつけるメリットは、レザーやラバーよりも圧倒的に耐摩耗性に優れています。
そりゃそうだ!という声が聞こえてきました(笑)
レザーソールの靴を買ったら絶対につけるという方もいらっしゃいますね。

といいながら....
私個人的に好きじゃないのであまりおススメしていません。
なぜかというと
・階段を下りるなどのつま先をつける時に滑りやすい。
・金属音がなる
・床を傷つける可能性がある
持っている革靴に全部つけるというのは、使い分けすることができないので不便ですよね^^
デメリットをご説明し、ライフスタイルに合っているかを確認することが大切です。

[No.42] シューフィッター 小縣 俊介


posted by シュンスケ at 23:59| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする