2017年07月10日

高齢者の足と靴 浮腫

浮腫は高齢者だけのものでは、ありませんが、やはり動く機会も少なくなる高齢者の浮腫の悩みは後を経ちません。
あらゆる方法をとり、努力をされますが、靴を履けない状態になると、とても難しいですね。
皆さんは、靴を何足、持っておられるでしょう。
お洋服に合わせて、行く先に合わせて、色々な靴を購入されることはよく聞きます。
ですが、足の状態に合わせるために、何足かの靴を用意される方は、少ないようです。
足は、時間帯により、足の浮腫の状況も変わります。
その為には、浮腫の状況に合わせて調整できる靴が最適と言えるでしょう。
軽い靴が適しているでしょうか。
浮腫があると、身体も怠く、歩く時間も確保しにくいので、軽い靴を選ばれがちです。
軽い靴は、足の動きの際には、楽かもしれません。
でも、上げるときばかりではありません。体重を支えている間は、しっかりした靴が楽でしょう。
上げるとき、動くとき、接地しているとき、歩くときの足の動きは色々な場面に対応しているのです。

浮腫のために、靴が足に合わずに来店されたSさん。歩こうという意欲があります。
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ワイン色の靴にも中敷は、入っていましたが、柔らかいものでした。
足の裏に痛いところが、あり困っているとの事でした。
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3つの素材を使い、中敷を作成、気持ち良くなったようです。
とは言っても、前より気持ち良いという事です。
3週間ぐらい様子をみて、新しい靴も探しています。

Mさんは、靴は難しくサンダルを履いています。
浮腫がきついと、靴が履けません。
早めの対応を致しましょう。
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可愛いバックゴムは、喜んで頂けました。
Mさんは、ずっと靴をしっかり選んでいますが、年齢と共に、浮腫がきつくなっています。
勿論、お医者様の指示のもとに色々な処置や努力も怠りません。

根気よく、足と靴に気を配り、歩くことや、体操することなどは続けて欲しいと思います。
そんな努力も、嫌になる時があります。
靴店の役割は、励ましも必要かと思う、今日この頃です。

災害の地域の皆さまに、お見舞い申し上げます。
程よい雨が降ってくれる事を祈ります。

上級シューフィッター 池川成子




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2017年07月05日

はきものは揃えること

『はきものをそろえると 心 もそろう』と記されたトイレ(下記写真)
ここまで徹底されたトイレにお目にかかることはそうはないでしょう。 靴屋の習性なのか、いつのまにか写真に収めていた。  はきものをそろえると「心」もそろう、とはどういうことなのでしょう。 とっさに言われても言葉にできるような簡単な問いではないが、落ち着いて考えてみると少しずつ想いがめぐるものです。
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はきものをそろえるという教えは正に日本ならではの発想と言えるのではないだろうか。 それは日本は玄関で靴を脱ぐという社会であるからで、内と外をはっきり区別をしているからである。さらに重要なことは、はきものは左右あり、常に一対にしておくことが大事なことになるからである。
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上の詩を改めて記してみます。
くつならべ〔タイトル〕
げんかんにはね、
小さなかみさまが
いるんだよ。
げんかんがきたないと
いえの中にはいらないで
そのまま
かえるんだって。
だからね、
きれいにしといたよ。
くつ、ならべたよ
。[産経新聞 2012 7 30掲載]
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写真は個人のお宅、おそらく法事でもあったのでしょう。 黒い靴ばかりがならんでいるがスッキリと整理され、次に入る方も同じようにきちっと並べるでしょう。 このようなお宅には精神的な安らぎを感じる。

家庭の役割には「しつけ」というものがあるが、はきものをそろえることは最大の「しつけ」になるだろう。自分が履いたものは自分でそろえる。 また他人が脱ぎ捨てた「はきもの」もそろえてあげる。 このような「しつけ」が子どもにあってもいい。

左右あるはきもの、汚れたはきもの、精力的に仕事をこなしたとみられるはきものをそろえる。 自分のものだけではなく他人のはきものにも、おもむろに手を差し出しそろえる、またそろえてあげる。
腰をかがめ靴に触れ、そろえてあげた瞬間の静かな心のあり様は非常に重要なことである。
シューフィッター〘大木金次〙
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2017年07月01日

悪魔のトリセツ No.75 日本文化の特殊事情

私たちの住んでいる日本は、「履き物を脱ぐ」習慣があります。
高温多湿で実り多い気候の、豊かさの恩恵と引き換えに、土の中の細菌や寄生虫に脅かされて来ました。
衛生的に暮らすために、土を居間に持ち込まない工夫が、履き物を脱ぐことだったのでしょう。
家を出入りするたびに履き物を脱ぎ履きするので、着脱の簡単な履き物が好まれます。草履や下駄は好都合です。

しかし、歴史の紆余曲折があり、日本の服飾文化はすっかり西洋化しました。
西洋では家庭で靴を履いたままです。
それでも日本では、伝統的な「家庭では靴を脱ぐ」習慣を手放しませんでした。
現代日本では、西洋のライフスタイルと、日本の伝統の生活様式が混ざりあった、独特の文化となっています。

頻繁に靴を脱ぎ履きする日本では、いちいち、靴紐を結ぶのは確かに面倒です。そこで、出掛け先に合わせて、靴のスタイルを使い分けてはいかがでしょう?
出掛け先に、靴の脱ぎ履きが少ないような、例えば美術館などに出掛けるときは紐靴を使うと、長く快適に歩けます。
移動するのに歩くことが少ない時、例えば自動車で温泉へ行くときなどは、靴の国では室内履きとして使われる、紐なしシューズ「スリッポン(slip on)」を使うと快適に着脱できます。


 私たちの生活文化は多くの外国に比べると特殊ですが、それはとても恵まれている事です。なぜなら、靴の機動力の素晴しさも、素足の解放感や人間本来の身体の機能性も、畳の気持ち良さも知っているのです。
この幸運を上手に活かせるような、履物の使い方を、広くお伝えしたいと思っています。

上級シューフィッター 永田 聖子
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