2017年11月15日

悪魔のトリセツNo.84 幅が広いとは?

「私は足の幅が広いから、何を履いてもイタイの」

よく耳にするお悩みです。

しかし、お悩みの人にどこがイタイのか尋ねると、一般的には足の趾(ゆび)付近を指す人が圧倒的に多いようです。むしろ、靴の幅より、足の幅の方が細い場合もよく見受けられます。ボール部(足の甲と趾の繋ぎ目の部分)の、靴の床部分が余っているのです。足長の設定上は合っていても、ボール部ではなく、趾の、折れ曲がった関節で、靴の爪先の芯の内側で、身体も前進する加速の力も受け止めています。

実際に計測した足囲に合うパンプスを履くとイタイのは、その「ボール部」ではなく、爪先部分のようです。これは計測値に出ない場所で、私たちシューフィッターも、靴のアウトラインを裏側から見て確かめる部分です。(裏側を見るのは、上から見るとデザインに惑わされて分かりにくいからです。)
強い足なら耐えられても、普段からダメージの溜まっている趾では、さぞかし辛いことでしょう。
スニーカーの紐を締めていなかったり、パンプスやスリッポンなと、趾の部分で靴に足を留めているスタイルの履き物を常用すると、趾は動けないので、弱る一方です。

靴の、足趾の入る部分は、足囲の測定値では表すことができない場所で、爪先と靴先デザインの形状との相性と、靴の使い途に大きく影響される部分です。
パンプスのその場所は、言わば、「ファンデーション」です。爪先をまとめて美しくメイクアップするための、コルセットです。足趾(あしゆび)や身体の機能を制限してまでも、いかに浮世離れして見せるか挑戦している履物です。

靴は、「踵基準」で考えて下さい。屋内で脱ぐ、草履のような、爪先が解放されている履物と、フィッティングが異なります。
足囲は、むしろ、靴の後ろ半分の大きさの目安と思ってください。

また、そのパンプスで、どのくらい歩けるかは、履く人の体力と経験次第。
ですが、パンプスのサイズや足囲や、爪先ラインの相性が合えば、確実に歩く意思を靴底に伝える事ができるので、快適に歩けるのです!

さて、そのパンプスがイタイのは、足の幅が広いせいですか?
爪先のデザインと、使い途の相性のせいですか?

上級シューフィッター 永田聖子
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2017年11月10日

高齢者の足と靴 歩き方

秋は、気持ちよく歩ける最高の季節です。
いろんな所へ歩きにいく計画を立てている方も多いようです。
でも、「足が痛いから、やめておくの」「行きたかったけど、膝が痛いから速く歩けない」という声を聴きます。
痛くならない靴が欲しいと、来店されます。
自分の足を知って頂く→足を見る→足を触る
足のサイズを計り、幅を知り、合った靴を履いて過ごして頂く。
そして、履き方も大切ですので、知って頂く。
靴を、履いて頂く為の準備としての、色々なことが、大切です。

靴を履く前にしなければいけない事を、知って頂けるように、そのような機会を作ります。
高齢者の方の歩行が、より快適になるように願い、実現のための方法を色々、試しています。

ある講座で、シートを敷き、椅子を並べて、足の長さを計りました。
思っていたより、小さかった事は、言うまでもありません。
左右差もはっきり分かりました。
足囲は次回に計る予定です。
まずは、ご自身の足に目を向けて頂く、知って頂くことから、始まります。
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人の歩行は、蹠行性と呼ばれます。熊も同じだそうです。
地面に足の裏を接触しながら歩きます。
馬や象は、蹄行性、犬や猫は指行性です。
指行性の動物は、地面に指だけをつけて歩きます。
地面に当る接触している部位により、区別されています。
人は、足の裏を地面に接触して歩くように、身体がつくられています。
違った状態が長く続くと歩行トラブルがおきてきます。
人の歩行スタイルの観察をしてみましょう。
そして、自分の足だけでなく、他の方の足を見ることで、多くの気づきが生まれてくるようです。
生涯自分の足で、歩くために、頑張りましょう。

シューフッター 池川成子





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2017年11月05日

靴選びに、なぜシューフィッターが登場するのか

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「履いてみるだけでもいいですか?」と気楽に靴屋に来店してほしいのですが、意外に硬い顔つきで無口で入る方が多いようである。 かたい顔つきでは靴選びはさらに難しくなる。 靴が合いにくい方でも笑顔で「シューフィッターはおりますか?」と入ってほしいのです。

商品の見定めに販売員は必要ないという顧客が多いが、靴選びにはシューフィッターのアドバイスがあると失敗が少なくなる。 よくあることですが、「また失敗した」という話、その多くは一人で購入したときに多いようです。

それでは、一人で靴選びをするとなぜ難しいのでしょうか?  どうしてシューフィッターが必要なのでしょうか?
☆自分の足の特徴を把握することが難しい、むしろ他人の足のほうがわかりやすいものです。・・・中には足のサイズを知らない人も多いが左右で違うこともある。 加齢による足の変化の気付きはさらに難しい。

☆自分の立ち方や歩き方の特徴が自分ではわかりにくい・・・鏡を通しても自分の姿勢は見えにくいものです。 他人の歩き方のほうが瞬時に把握できるものです。 足と靴は灯台もと暗しのようです。

☆靴によって立ち方や歩く姿勢が変わることが多いがその変化に気がつきにくい。 例えば最初に試した靴はヒールを擦る音がする。 次に試した靴は音がしない。 しかしその違いにも気が付かない人が意外に多いのです。

☆店頭に陳列している靴は見ただけでは分かりにくい。 ところが顧客はどの靴も自分の足に合うと思って靴選びをしているように見受けます。

☆足に痛みがある方でも、店に入るとデザインやカラーに集中してしまい、痛みすら忘れてしまうことが多い・・・靴は他の身の回り品に比べ一人で軌道修正をすることが難しい商品であると言われている。

☆習慣とは恐ろしいもので、慣れた感覚に甘くなり(基本にする)、足に良い靴でも違う感覚(靴)の受け入れに抵抗してしまうようです。 足裏で経験した感覚を重視するということになるが、はだしの動物であればいいのですが人は靴を履いている。 靴が難しいと言われる所以のようです。 この垣根(習慣)を乗り越えるために、シューフィッターのアドバイスが欠かせないのです。 自分の身体は自分では気づきにくい、その代表が靴かもしれません。

靴のフィッティングについては、靴に同じものがないだけにシューフィッターでも長い経験が必要になる。 さらに短期間でデザインが変わっていくというこの頃の商品展開に、シューフィッターでも追いついていくのがいっぱいのようです。
シューフィッター〘大木金次〙
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | 人の足と靴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする