2010年05月21日
つま先がサンダルから出ており「足半草履」に似る
さるコーヒーショップでの光景ですが、サンダルの先からつま先のすべてが出でいる写真、このような例は珍しいものではありません。 この人は体格が大きく185センチほどの長身ですが、後足部を見ると踵からサンダルが相当はみ出ていた(写真では見えにくく恐縮です) 靴ならばつま先の余裕がまったくなく、腰まわりが大きすぎるというところでしょう。しかしサンダルにはトウ先がないため何の不都合もない。 しかも五本の趾(ゆび)の腹すべてが路面に接地する。 気持ち良さそうにも見えるが? このようなサンダル履きを見ていると、昔々の足半草履(あしなかぞうり)を思い出した(写真は東京都立皮革技術センター台東支所所蔵) 足半というほど、土踏まずの部分にだけ草履があたる。つまり足で保護するところは土踏まずだけでいいとするものでしかも闊達な動きができる。 我々の足は地面(土)に接することで活力が出てくるのかもしれない。 今草履の時代ではないが、いろいろなはきものをつけ歩くことで思いもかけない発見がある。 掴むことが苦手になった足趾に息吹を与えるような発想は決して無駄ではないでしょう。
シューフィッター【 大木 金次 ( ooki kinji )】
2010年05月23日
セグウェイ・・・科学が足の退化に?
歩かずに移動できるコンパクトな乗物?セグウェイが登場している。 写真は救急防災フェスタの中で来場者が試乗しているもの。 転ばずによく移動できるものである。 そのメカニズムは到底私には理解できないが、重心が一ヶ所に設定されていることは人の身体に似ている。 足は三点支持で立っており凹凸のあるところでも何不自由もなく歩いているが、セグウェイは二点支持、科学はさらに進歩し便利になるが、その一方では身体が弱くなっていくのではと心配される。 靴も履き分けが重要になっているが、このような乗物は特に乗り分けが大事になるでしょう。 便利さを追求した道具が次々に登場するが、作る以前に必要性を考えることは非常に求められる。 作ってから使い勝手を考えていたのでは、その代償は全身の弱体化にいってしまうような気がする。 少なくとも子どもの遊び道具になってはいけない。
シューフィッター 【 大木 金次 ( ooki kinji )】
2010年05月27日
休む姿勢は109種類
今回のテーマは立って歩くこととはいささか角度違いであるが、アメリカの人類学者、G・ヒューズがまとめたものから引用します。 その一部が写真のものです(早すぎた二足歩行・光文社) 図をみると腕のくつろぎ方や一本足でのくつろぎ方またイスや床に座るなど数々ある。 しかし膝を曲げて座る正座は日本人の典型的な仕草という。 ただ正座は休む姿勢には入らないかも知れない?と私は思っているが。 その他横座りは女性特有でインディアンの男性もこの座り方をするという。 このように休むために多くの姿勢をとる動物は人以外にないと記している。 休む姿勢が多義にわたるのは、二足歩行のためではないかと推測できるが、それほど人が立つことは大変な姿勢なのであろう。 中でも「気をつけっ!」の姿勢はつらく微動だにしないで立たなければならない。 無意識のうちに修正しながら立つには経験がいる。 その揺れは左右の方向より前後の揺れが大きい。 ところで休み方の姿勢をみると人が解るとよく聞く。 様々な姿勢をとる人ほど立つ姿勢に一貫性がないということになる。 立つことがつらい人ほど休む姿勢の種類は多くなると考えられる。 シューフィッター【 大木 金次 ( ooki kinji )】