2012年11月25日

関節の硬い足

t02200391_0240042710497710944.jpg
t02200293_0240032010495490086.jpg
t02200391_0240042710497721459.jpg
足を計測している最中に「筋肉は全身硬いですか?」と伺うと、びっくりした顔つきで「どうして解るのですか?」そして「体前屈も十分にできません」と言った人がいた。 そのような方は決して珍しいことではなくなった。 足のボール部(ゆびの付け根・中足骨骨頭部)を細いメジャーで絞ってみると筋肉の硬さが手に伝わってくる。 硬さばかりではなく軟らかすぎる筋肉にも出会うことも多い。 軟らかすぎる筋肉の足を「こんにゃく足」と称しているが、靴合わせは困難なことが多い。

筋肉が硬すぎると関節も硬くなるのは当然ですが、加齢と共に何かとケガが多くなり足もとの大切が身に沁みることがある。 しかし筋肉が硬すぎるとどうなるのですか?とよく質問を受けるが、ケガなどとともに血液循環にも影響を受けやすく、その結果疲れやすくなり人によっては冷えやくなることもある。 ところが足を計測中に「筋肉が硬いようですね」という一言を足だけへの影響と捉えている人が非常に多いようである。そこで「全身が硬いですか?」と上に記したように話をしているのです。 

筋肉の硬すぎる人は凹凸のある路面を敬遠することが多いようで、路面に神経を遣いながら歩いている。 恐らくそれだけでも大変疲れるものと思われる。 ただ疲れが筋肉の硬さからくるなどと気がつく人は少ない。 そのため靴選びに気を遣うこともないようである。 
グー・チョキ・パーなどの運動をアドバイスしているが、習慣にしていると言えるほど行っている人はいるだろうか。(写真はウォーキングインストラクター・Norikoブログから引用しました)
シューフィッター【大木 金次】
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | 人の足と靴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月25日

靴の学習は多義にわたる

「靴を考える会」に参加をしてずいぶんな年月を経ているが、靴という一つの品目には様々な専門家がいるものだ。 以前「何年靴を考えているのか?」と「靴を考える会」に忠告を頂いたことがあり、そろそろ行動を起こしてはいかがなものかと話がありました。  
しかしそれでも学習は続いている。
小生はシューフィッティングの分野で参加しているものの、靴の商品知識もさることながら、シューフィッティングに関係するホスピタリティなどに目を向けるとまだまだ学習するものがつきない。 

靴回りは皮革や靴型、金型、接着材、デザイン、各種資材、靴メーカー、卸、ドイツのマイスターに似る専門店、そしてこの頃はフットケアやインソール製作専門店、皮革のクリーニング、靴磨きなど新しい分野が増えている。 またアフガニスタンに靴(義肢装具)を作り続け現地まで届けているという高い志のエキスパートも登場している。 また義肢装具士業界や整形外科の方々の活躍も目覚ましく一般に認知されるようになってきた。  こうしてみると機械関係の大田区や東大阪のメーカーの集まりとどこか似たようなところがあり、どの分野一つ欠けても先に進まない。 上記の方々の考え方や知識を学ぶことはとても有意義である。

以前の話ですが手の負えないことが発生した場合は得意な分野の方にアドバイスを伺ったり、また顧客をお願いすることが大事と語ってくれた先輩がおり、それからはその通りに実践している。 本当にすべてを抱えると失敗の元になる。
そう考えると「靴を考える会」の勉強会は知識以上に人を知ること、一緒に理解しあえる友人は宝になる。靴は人それぞれに履き心地の好みもまったく違い個人対応のところがあるがそこにスペシャリストが生まれてくる。つまり「靴を考える会」は靴だけの学習でないことになる。
お蔭様でそれぞれの専門科のお蔭で仕事ができている。 
シューフィッター 【大木 金次】 

posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | 人の足と靴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月15日

足は弱体化の方向に向かっている

足 4.jpg
足の弱体化がみられるこの頃、足学の研究では第一人者の近藤四郎氏は『はきものの人類学』の中で次のように述べている。「直立二足歩行に人間の営みは根ざしているにもかかわらず進化という言葉で語られる人類の歴史に足の弱体化を招き、生物学的にみれば文明を勝ち取ったぶんだけ足は退化しているといえる(靴のラピリンス INAX)」

気の遠くなるほどの長い時間を経て人間は二足歩行を獲得し現在のような豊かさの文明を実現している。 豊かさの分だけ足はひ弱になっていることに我々は気がつくべきでしょう。 この書籍は靴の学習が一般的になる前、ずいぶん以前に発行されたものですが、その頃から近藤氏は警鐘をしていた。 

ここで多くの方に気がついてほしいことは、近藤氏が指摘している長いスパンで人間だけが二足歩行を獲得して今があることです。 それからみるとほんの僅かな靴生活の間で足はひ弱になってしまった。 進化の中で人の足は象などと比較(体重比較)して大きな足を授かってきた。 しかしこのまま弱体化が続くと人の足は小さくなる方向に向かうことでしょう。 その結果重い頭は支えきれずますます多くの器具を使うことに陥っていく。

かつて洋服を縫うミシンは足で動かしていた・・・改めてそのような発想に向かうことが大事である。 足に付けるはきものは道具であったという日本の履きもの、それは足の生理からみても巧みな発想なのである。
シューフィッター【大木 金次】
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | 人の足と靴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする