外反母趾は痛くなければ余り困らないという方が多いようで、フィッティングにおいても重要視せずに靴選びをしている人ばかりである。 しかし母趾の一点は三点支持の一つであり、立つことや歩くときの大事な支点になっており努めて立ちやすく歩きやすいという視点で靴を探すことが重要である。
外反母趾は遺伝的なものがあるものの、扁平足ぎみから横アーチの低下をまねき、足趾(そくし)が外を向いてしまう。 その結果捕地力が低下しひ弱な歩き方になりやすい。 しかも大切なことは上記の通り、三点支持の一点である母趾球が活躍できにくくなってしまい、極めて立位にもろさが観られるようになる。
このようなことから痛くなければということで、対処を疎かにしてしまうと全身の活性が低下していく。 中足骨をまとめ、足底が下がりににくいよう靴を工夫する必要がある。
人の足は三点で立つという巧みな構造になっているがゆえに、一点でも力が入りにくくなると瞬間に立ちにくくなり、足は悲鳴を上げることになる。
外反母趾を軽く見すぎないようにしたいものである。
シューフィッター【大木 金次】
2012年10月05日
2012年10月15日
サンダル履きで手先が器用・・・手術執刀医のはきもの
サンダルは身近なはきもの、履いている人は非常に多いが、重要な仕事や大事な行事などには他のはきもの(靴など)に履き替えるものと考える人は多いようだ。
ところが先日のテレビのドキメンタリーでは、手術中にドクターが履いていた「はきもの」は今流行の合成樹脂のサンダルであった。 心臓を手術する執刀外科医、その最中の緊張すること10 時間余り、長時間のその姿はイスに座り踵が浮いており、頭には顕微鏡をかけ終了するまで同じサンダル。
ナレーターは足・脚に力が入り上半身の力が抜けている態勢と語っていたが、その話しぶりから手先の器用さは足もとから生まれていると表現していたようだった。 イスと左右のつま先足立ち、まさに三点支持。 おそらくつま先は極限まで開いているのではなかろうか。 踵を浮かすことでつま先は最大に広がる。 それは逼迫した時の動作である。 スポーツでも同じことで相手に勝つための足の態勢なのです。
そこでサンダルというはきものの評価について、冒頭にも上げた通り大事な時には履かない、という一般的な考え方は決して正解ではないことに気が付く。 大事な時ほどつま先が開くことでしっかりとした下半身ができ、そして上半身の力が抜けリラックスする。 その結果手先が思うように器用に操れる。
はきものは履き分けが大事と言われるが、非常な神経を遣うときは、つま先が機能する履きものがほしくなる。 それには踵が瞬時に上がり履きものから抜けることも大切。 サンダルのほど良い弾力性のソールもいいのでしょう。 また術後そのサンダルを洗剤でていねいに洗っていたのには非常にびっくりさせられた。
足の解剖学を通して靴をみるとき、決して靴だけで議論を進めても解決の付かないことがある。 はきものという大きな枠、仕事内容なども考えることが重要ではないだろうか。
その中には素足や裸足も入るのかもしれない。
シューフィッター 【大木 金次】
ところが先日のテレビのドキメンタリーでは、手術中にドクターが履いていた「はきもの」は今流行の合成樹脂のサンダルであった。 心臓を手術する執刀外科医、その最中の緊張すること10 時間余り、長時間のその姿はイスに座り踵が浮いており、頭には顕微鏡をかけ終了するまで同じサンダル。
ナレーターは足・脚に力が入り上半身の力が抜けている態勢と語っていたが、その話しぶりから手先の器用さは足もとから生まれていると表現していたようだった。 イスと左右のつま先足立ち、まさに三点支持。 おそらくつま先は極限まで開いているのではなかろうか。 踵を浮かすことでつま先は最大に広がる。 それは逼迫した時の動作である。 スポーツでも同じことで相手に勝つための足の態勢なのです。
そこでサンダルというはきものの評価について、冒頭にも上げた通り大事な時には履かない、という一般的な考え方は決して正解ではないことに気が付く。 大事な時ほどつま先が開くことでしっかりとした下半身ができ、そして上半身の力が抜けリラックスする。 その結果手先が思うように器用に操れる。
はきものは履き分けが大事と言われるが、非常な神経を遣うときは、つま先が機能する履きものがほしくなる。 それには踵が瞬時に上がり履きものから抜けることも大切。 サンダルのほど良い弾力性のソールもいいのでしょう。 また術後そのサンダルを洗剤でていねいに洗っていたのには非常にびっくりさせられた。
足の解剖学を通して靴をみるとき、決して靴だけで議論を進めても解決の付かないことがある。 はきものという大きな枠、仕事内容なども考えることが重要ではないだろうか。
その中には素足や裸足も入るのかもしれない。
シューフィッター 【大木 金次】
2012年11月15日
土踏まずの低下は右足より左足のほうが多いのでは?
スポーツ健康フェアにおいて多くの方の「足の計測」を行いフットプリントを採取してお渡しをした。 終了後ふと振り返ってみると踏まずの低下は右足に比べ左足のほうが多いことに気がついたのです。 子ども、女性、男性様々な方の足を計測しましたがどうして左足なのか? 私なりに考察をしてみた。
多くの方が右足が利き足(ボールを蹴る足)になっていること。 サッカーなどは右でも左でも同じように蹴れるようにと指導者は練習に熱を入れているようですが、どうしても右足が中心になりやすいと。
そのようなことから右足は多様な動きを常に行っており器用になっていると考えてもおかしくはない。 右足は攻撃足運動足とも言われ足裏の接地時間は、左足より短いと足の研究者は語る。 つまり左足に重心が長くかかることになり足底への負担がどうしても多くなる。 その結果左の足裏の接地が面積が多くなりバランスを取っているのであろう。
土踏まず部の高さは左右同じという発想に立ちやすいが、インソールの製作などには一考を要することが大事ではなかろうか。 購入する靴は左右が同じものであり大きな違和感は感じない人が多いが、やはり履きならした靴ほどいいものはないと誰でも言う。
左右の土踏まず部の違いは長年の身体の生理から生まれる・・・そのような環境を大切にしたい。 そのようなことから、計測後「左足の土踏まず部が低下しているようですが?」などと簡単に指摘をしているが少し軽はずみな言動かもしれない・・・そんな気がしてきた。
【大木 金次】
多くの方が右足が利き足(ボールを蹴る足)になっていること。 サッカーなどは右でも左でも同じように蹴れるようにと指導者は練習に熱を入れているようですが、どうしても右足が中心になりやすいと。
そのようなことから右足は多様な動きを常に行っており器用になっていると考えてもおかしくはない。 右足は攻撃足運動足とも言われ足裏の接地時間は、左足より短いと足の研究者は語る。 つまり左足に重心が長くかかることになり足底への負担がどうしても多くなる。 その結果左の足裏の接地が面積が多くなりバランスを取っているのであろう。
土踏まず部の高さは左右同じという発想に立ちやすいが、インソールの製作などには一考を要することが大事ではなかろうか。 購入する靴は左右が同じものであり大きな違和感は感じない人が多いが、やはり履きならした靴ほどいいものはないと誰でも言う。
左右の土踏まず部の違いは長年の身体の生理から生まれる・・・そのような環境を大切にしたい。 そのようなことから、計測後「左足の土踏まず部が低下しているようですが?」などと簡単に指摘をしているが少し軽はずみな言動かもしれない・・・そんな気がしてきた。
【大木 金次】