2013年01月05日

足がくわれる?

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「足がくわれたことがありますか?」と尋ねると年配者ほど何度もあった!と。 
ところで「足がくわれる」という表現はどうして生まれたのでしょう。
「食われる」という言葉から察するに、靴擦れなどというなまやさしい表現でないことが解るが、どうしようもないほどの痛み、歩行困難(足の踵がなくなった?)のようにとれる。 くわれる位置は踵骨(踵部)後方を指すようである。 足は後足部ほど強いと言われているが、その強いところがくわれたのですから大変なことです。

くわれるから想いつくことは靴が動物のように扱われている様子であるが、何でも擬人化する習慣をもつ日本人ならでは言い回しのようであり、一度噛まれたら誰でも忘れがたいものになる。 そのため経験者は靴を試すときに必ずアキレス腱の部分に小指を入れて確認するようになるが、そのようなチェックは女性より男性に多いようである。 その理由は男性の靴はヒールが低いことやソールが厚く屈曲に強い力を要すること、また月型芯に硬いものが挿入され、靴全体が深い(腰回りの高い)ものが多いためである。 また男性は意外に痛みに弱いということも一因かもしれない。

写真は踵を引き上げるとアキレス腱部分の余裕(空きスペース)が少なることを示している。 ただ大事なことはそのときつま先の余裕の確保も忘れてはいけないことである。

「靴がわらう」、「物にも魂がある」などとよく言われるが、「足がくわれる」もその仲間に入るようだ。
シューフィッター【大木 金次】
  
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2013年03月05日

日本のシューフィッティングが世界の頂点に立つ日がくる

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機械工学や食品、その他多くの一流品に日本の文化が生かされているが、その根幹にある発想は誠実な心遣いなどホスピタリティの配慮がある。 しかし靴のフィッティングはどうであろうか? 靴作りは一流の仲間入りをしているが靴選びは発展の途上にあるようだ。 フィッティングが向上しない要因は販売する側だけではなく、消費者の靴への関心や靴選びにあり簡単ではない。 また靴は選ぶものの中でもっとも難しいとされていることも一要因になっている。  

シューフィッティングの向上にもっとも重要なことは足の痛みに寄り添うことである。 今三次元計測器が導入され瞬時にデータが出て便利であるが、何となく心がこもっていないことがある。 データ、一本で説明が終了し言葉の端々がどうも冷たいのです。 三次計測以前に手計測の経験が乏しいからで、親切な心遣いが計測する所作に少ないように思われる。 それは足に触れていないからではないだろうか。

靴文化を進展させるために、日本文化に根差したホスピタリティシューフィッティングを目指したいものである。 一例をあげると、ひざまずいた姿勢で靴を履かせている光景などは実に日本流である。 このような心遣いと技術、技能の向上が随所にみることができれば、シューフィッティングは日本に見習えという話が出てくるでしょう。 そのうち日本のシューフィッティングが世界の頂点に立つ日がくる、そう確信するのです。
シューフィッター【大木 金次】  
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2013年03月15日

靴選びをしていて誠意のあるサービスを受けたことはありますか?

心のこもったサービスは商売の鉄則と言われて久しい。 近頃は農業などすべてがサービス業であるという。 さらに一通りのサービスから誠意のある心遣い、おもてなしが入るホスピタリティの大切さが叫ばれている。 しかしまだまだ病院やホテルなど限られた範囲にとどまり、店頭販売などはそこまで要求する人は少ないようだ。 靴販売も同様で、以前のことですが靴の痛みで来店した顧客に対して足もとに寄り添うような接客をしていては時間がもったいないという人がいた。 ただこの頃は靴の販売にホスピタリティ精神を発揮する若者が観られるようになり心強い。 そのきっかけは売り上げの低下が理由ではなく成熟した消費社会に靴も仲間入りをしたからである。 

数年前から街頭で無料でティッシュペーパー配っている人がいるが、配布するその表情には笑顔と相手の立場にたった心遣いがみえる。 このようなことは今までにはなかったことで、そのような暖かいしぐさは日本だけではないだろうか。 ところが代金を戴いている靴の販売にロボットのようなしぐさでマニュアル通りの言葉づかいが観られることがある。  靴の販売ほどサービスの良否に幅が出る職業はない。 それは靴に対する確かな目をもった顧客が少ないせいかもしれない。 

一人ひとりの足はすべて違うのは当たり前、その違いを把握するためには顧客の心に入り込む必要が欠かせない。 そのためには細やかな心遣いがあってこそである。 足と「相性が合う」などと大雑把なことではない。  靴選びほどホスピタリティ精神の必要な職業はない。 すべての足が違うのに大量生産をしている靴を合わせる。 しかしオーダーメードなどはさらに深くその比ではない。 有名シェフの作ったおいしい料理でも低レベルの接客ではシェフの腕が台無しであるとよく言われるが靴も同じことである。
シューフィッター【大木 金次】
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