2012年11月05日

ふいご(鞴)を知らない若者に「ふいご現象」を説明

鍛冶屋 ふいご.png

靴内にたまる汗はふいご現象によって解消されている、とシューフィッティング中に話をしているが、最近の若者にはどうも通じにくくなっているようだ。 「ふいご現象」とは歩行中に靴の踵部を引き上げると靴内の容積が縮小し、履き口から汗が逃げていく。 その後後足部が元に戻ることで今度は履き口から空気が入っていく現象。 しかしこの頃は鍛冶屋などで「ふいご」を使っているシーンをみることは少なくなったため「ふいご」を知らない人がいる。
写真の奥の方に大きなふいごで送風している様が観えるが、日本ではこのようなふいごは少ないようだ。 昔は足で押したり手で押したり引いたりしながら送風をする小型のふいごがほとんどであった。

シューフィッティングをしていると、時間も限られふいご現象について説明をすることが少ないため理解不足になってしまうことが多い。 生活の中で使われることが少なくなった道具を言葉にしても通じにくいのは当たり前ですが・・・空気の出し入れが何度も何度も繰り返される「ふいご」は足と靴の関わりと似ており実に良い表現である。 今後何かいい表現があれば? 

若者の靴選びは大き目のサイズを求める人が多くなり、トウ先に手先を入れてみると汗が溜まっており、ソックスもビショビショに濡れていることがある。 ストレスも加わり汗も多くなっているようだが、靴合わせの大事さに気がついていないことがほとんどである。 そのようなとき「ふいご現象」という話をどうしても持ち出してしまうのです・・・。

以前のことですが、奥様が毎日主人の鞄の中に替えのソックスを入れ送り出すという話を聞いたが、この頃そのような心遣いをしている人はいるだろうか。 午後からソックスを履きかえれば仕事にも弾みがつくことでしょう。 
足の生理の中で汗の話は大変重要な課題ですが、一般にはまだまだ知られていない。 啓蒙の必要性を感じるが「ふいご現象」という言葉はなくしたくないものです。
シューフィッター【大木 金次】

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2012年12月10日

色々なシューフィッテイング

一昨日から、寒さ厳しくなり雪のお話しをお客様からお聞きします。
うっすらと車の屋根が白くなっているところも多いようです。
転ばないようにしっかり歩いて元気に冬を楽しみたいですね。

足に合う靴をお探しするのは当たり前の事ですが、装具を着けて靴を履くという場合には多くの種類の中からは選べなくなります。5__.JPG
右足だけこの装具を着けて靴を履くというFさん。
左右サイズの違う靴を探して履いておられました。
ですが、思うような靴ではなく他に方法はないかと思っておられたようです。2__.JPG
爪が上を向いているKさん。
サイズには困った事はないのですが、親指の爪が上向いているのでその部分だけ厚みが必要です。

思った靴が履けないと、歩く事や出かける事が面倒になってきます。
そんな事からも運動不足が起こってきます。
出来れば、楽しく歩きたいとお2人は思っていました。
合う靴はそうたくさんありませんが、努力して探してみたいと思います。
この時期はブーツがあるので好都合です。

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装具は入れられる靴はあまりありません。
そろそろ装具を取っても良いかなというお医者さまの指示がでた頃に靴探しの準備を始めました。
足裏フイットさせる測定板だけをブーツの中に入れます。
少し不安がある時は、足根関節の辺りを保護するように工夫をします。
小さいサイズの方は調整をします。
暖かで、見た目も可愛く、お洒落です。
装具を急に取ってしまうのは不安があります。
測定板だけ残したり、その補助を考えたりしたいものです。
また、何時までも甘やかすのではなく可能であれば運動も適度に挑戦して行きたいものです。
主治医の先生と相談しながら進めて頂くと良いでしょう。

履いたり、脱いだりが面倒な方もいますので、ベルト装着のタイプもお勧めです。
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お洒落でもありませんが、便利です。
快適に歩けます。
爪が上を向いていても心置きなく指を動かしてたくさん歩けます。

装具を着けたり、爪のトラブルがある場合もお洒落ご心を持ちながら靴探しをしたいものです。
足のトラブル・疾患は「治る」という表現の難しい部分があります。
「痛みが取れる」という事と「完治」と当然違います。
トラブルや疾患が起こり、痛みが取れ始めたら、「足の予防」を考えて頂きたいと思います。
治療も大切ですが、予防をして素敵な靴で軽やかに歩けるように努力しましょう。

シューフッター 池川成子






2012年12月15日

足長のサイズを上げよう(つま先のきつさや痛みに)

靴選びの中で多くの方が気にしていることはつまさきがきつくならないこと。  ところがつま先余裕をもつために足囲の太い(EEからEEE、EEEEなど)靴を履いてみたいと申し出る人が多い。  しかし履き始めはよいものの時間とともにつま先が苦しくなり、痛みに代わっていき結果としてきつい靴になってしまう。このような経験は誰にでもあることですが、その要因は多くの靴はトウ先が細くなっているからであり、そのままのトウ先で足囲だけが太くなっているからである(トウ先も僅かに太くなっているが) 

そこで太さを上げるより足長サイズをあげることを勧める。  ところが多くの方はあまりいい顔をせず積極的ではない。  それは足長を上げることでつま先のきつさが解消するという考えに至りにくいからでしょう。 同時に長い靴は履きたくはないという先入観が誰にでもあるようだ。 また足長をあげると靴の腰回りが太くなり、踵が脱げやすくなると考えている人もいる。

そのようなことから踵のゆるさなどが先行してしまい、反対につま先が窮屈なものになってしまうようだ。 誰が考えてもゆるさよりきつさのほうが苦しくいやなものである。 その証に長期間使用している靴のほとんどは踵がゆるくなっている。 ただそのようなことに気付く人は少ない。  試し履きのときにゆるさはすぐに解るものの、きつさや苦しさは購入後履いてからの結果であり、試し履きの時点では解りにくい。 そしてつま先余裕の大事さに気がつく。 人は長い間このような繰り返しをしながら靴選びをしている。 そしてやっかいなのは靴の流行であり、履き心地に邪魔をするものが多い。  
このようなことにはやく気がつくことが大事なことである。
シューフィッター 【大木 金次】
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