2011年08月30日
靴の前足部は皿型
前回に皿型のソールと記しているが、靴を前方から観ると写真のような状態のことである。 つまりソールの内・外側が設置せず、前足部の中央が設置している。 写真は革底のしっかりしたソールだからできることであるが、軟らかすぎるソールでは皿型にはなりにくい。
足の骨格は三点支持で立っているが、もし靴のソールも三点で支持をしていればどうなるのか? とてる歩けるものではないでしょう。 その反対に皿型になっていれば軽快な歩行ができる。 このようなことは自転車のタイヤですべての方がすでに経験済みである。 ペタルが重くなれば人は自然な行動として空気を入れる・・・その結果タイヤは丸くなり接地面積は少なくなりペタルは軽くなる。 そのようなことと靴のソールは似ている。
硬いソールほど皿型が必要になることは当然なことです。 スニーカーよりしっかりした革靴の方が歩きやすいと言われる所以は皿型のソールであることが多い。 グットイヤーやマッケイ縫いなどの靴も、ソールの外回りのミシンが切れにくいのは皿型にあると言われます。
この頃はソールのミシンが早く切れてしまうことが多くなったが、接着の甘さよりソールの皿型が少ない、またソールが軟らかすぎることなどが一因と考えられる。
前回の内容に戻るが、身体の調子が悪いとふらつきを感じやす・・・とくに靴を履くと。 その一因に皿型のソールを上げているのです。 健康でなければ靴は履きにくくなるのは確かなことです。シューフィッター 【大木 金次】
2012年02月10日
アスリートの靴はひも付き
靴の甲を締める道具として靴ひもがあるが、この道具は古くからありとても身近なものである。 ひも以外の道具は面テープやバックル、ホック止めなど簡単なものがあるがアスリートには余り採用されていないようだ。 なぜなのだろう?
結論が先になるが、やはりフィット感が得られにくい、そして好みの締め付けに調整が難しいためでしょう。 そのようなことから世界のトップアスリートほど、靴にひもが付いている。 フィット感と共に靴を履くときの時間をひも締めでたっぷりとる。 そのような気持ちの安定にも一役たっているように思える。
スポーツ競技の頂点に立つ人ほど練習時間が多いと思われるが、そのために靴のフィット感の違いも時間ごとに違いが生じ体感するものと思われる。 その結果細かな調整のできる靴ひもはとても便利なのである。 僅かな違いが把握できずしてトップに立つことは困難である。
一般の生活者もひも靴の使用者は多いが、ひもの締め加減まで神経を遣う人は少ないようだ。 少なくとも午前と午後ぐらいは靴ひもの調整をしてほしいものです。 快適な靴生活の実現のために、親は子どもたちへも啓蒙を行って頂きたい。 シューフィッター 【大木 金次】
2018年01月28日
防滑シューズについて
昨年は関東ではほとんど雪は積もらなかったのですが、今年は1月22日夜にかなりの積雪が関東でもありました。僕の住んでいる神奈川県でも昼過ぎから降り始め、深夜には20センチ近い積雪になりました。電車は遅れるは、足元は滑るは、で大変でした。雪の多い地方にお住まいの方からすると、何甘いことを言っているんだ!ということでしょうがやはり関東人は雪に弱いです。
前日から大雪の予報が出ていたため、売り場でも防滑シューズが前日と当日飛ぶように売れました。その時、よく質問されたのが防滑の種類です。防滑といっても、雨の時、雪の時、氷(アイスバーン)の時、と対応が分かれます。今回は簡単に違いをお話しします。
ゴム底やギザギザがあるだけの単純なタイプは雨の時の路面に対応します。対応というのは滑りにくい、という意味です。もちろん絶対はありませんのでそこはご了解ください。
雪の路面に対応している代表が、金具がついているタイプです。またクルミが配合されているもの、などがあります。
気をつけなくてはならないのが、このタイプは雪道には強いが氷の道には対応していないということです。何と言っても氷の道が一番滑るのです。(クルミタイプは氷道にも対応しているものがあります)
これに対応するものとして代表的なものは、スタッドレスです。タイヤでおなじみですね。溝が深いものがスタッドレス、という思い込みがあるようですが今はいろいろな種類のものが出ていますので、溝が深くないから違う、という見方は変えてくださいね。
上の写真は溝が深い典型的なスタッドレスです。
下の写真は溝が浅く一見わかりませんが、これもスタッドレスです。
そのほかに氷道対応としては、セラミック配合、ケイ砂配合、などがあります。
しかし見ただけでは判別することは難しいですので、ぜひ販売員に聞いてください。お店にとってはどのタイプかわかるようなマークをつけているところもあります。ちなみにそごう横浜店では、雨対応は青色、雪対応は黄色、氷対応は赤色のシールをプライスに貼ってあります。
もちろん氷対応だからといって油断していると足をすくわれますよ。氷道にはしっかりと足裏全体で踏みしめて歩幅を狭くして歩きましょう。まだ今年は何度か雪が積もりそうですしね。
上級シューフィッター 林 美樹
前日から大雪の予報が出ていたため、売り場でも防滑シューズが前日と当日飛ぶように売れました。その時、よく質問されたのが防滑の種類です。防滑といっても、雨の時、雪の時、氷(アイスバーン)の時、と対応が分かれます。今回は簡単に違いをお話しします。
ゴム底やギザギザがあるだけの単純なタイプは雨の時の路面に対応します。対応というのは滑りにくい、という意味です。もちろん絶対はありませんのでそこはご了解ください。
雪の路面に対応している代表が、金具がついているタイプです。またクルミが配合されているもの、などがあります。
気をつけなくてはならないのが、このタイプは雪道には強いが氷の道には対応していないということです。何と言っても氷の道が一番滑るのです。(クルミタイプは氷道にも対応しているものがあります)
これに対応するものとして代表的なものは、スタッドレスです。タイヤでおなじみですね。溝が深いものがスタッドレス、という思い込みがあるようですが今はいろいろな種類のものが出ていますので、溝が深くないから違う、という見方は変えてくださいね。
上の写真は溝が深い典型的なスタッドレスです。
下の写真は溝が浅く一見わかりませんが、これもスタッドレスです。
そのほかに氷道対応としては、セラミック配合、ケイ砂配合、などがあります。
しかし見ただけでは判別することは難しいですので、ぜひ販売員に聞いてください。お店にとってはどのタイプかわかるようなマークをつけているところもあります。ちなみにそごう横浜店では、雨対応は青色、雪対応は黄色、氷対応は赤色のシールをプライスに貼ってあります。
もちろん氷対応だからといって油断していると足をすくわれますよ。氷道にはしっかりと足裏全体で踏みしめて歩幅を狭くして歩きましょう。まだ今年は何度か雪が積もりそうですしね。
上級シューフィッター 林 美樹