「靴の履きかた」について長年啓発をしていますが、あまり改善される様子がみられないようです。 今回の「履きかた」については、玄関においての着脱の話です。
日本は靴の履きかたより「靴脱ぎの文化」であるという人がおり、履きかたより脱ぎかたに気持ちを注ぐ人が多いようです。 例えば靴を脱いだ後、左右をきちっと揃え、トウ(靴のつま先)を入口(玄関)のほうに向けておく。 特にお得意様に伺ったときなどに。
ひも付きの靴の履きかたは次のようなことではないでしょうか。
イスに掛け、靴ひもをゆるめて、履き口を開いて足を入れる。
そのときに短めの靴ベラを使う。
靴を脱ぐときは、イスに掛けひもをゆるめ、靴の後足部に手をかけて脱ぐ。
このような流れが靴の履きかたです。
靴選びをするときは、シューフィッターは基本通りに着脱をしてくれます。
腰をかがめ、またはフィッテングチェアにかけマイポケットから靴ベラを出して履かせてあげています。
ところが自宅の玄関では、上に記したように基本通りに着脱をする人はわずかな割合のようです。 玄関にイスのあるお宅が少ないのですから、座ることはないといってもいい。
靴の着脱について、シューフィッターは店頭で実践しているのに、それをまねる人が少ないのは非常に残念です。
なぜイスにかけるのか?
なぜ靴べらを使うのか?
なぜひもを結ぶのか?
そのようなことはよく理解されているようですが、どうも足もとは理屈では動かないようです。
「靴ひもは面倒」とよく聞きますが何とも寂しい、「玄関はそそくさと通過するところ」と思っている人が多いようです。
足と靴についてもっと科学的に考えてみてはいかがでしょうか。
それから子どもの時代に履きかたを完成させる必要があるようです。
玄関で、子どもに「はやく出よう」という声掛けも考え直してほしいものです。
玄関にイスを置くよう工夫しましょう。
シューフィッター 大木金次
2024年01月05日
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