皆さん、こんにちは。
小正月のどんど焼きや小豆粥を経て、ひとまず年始の行事は終わります。
皆さんは、どんなお正月を過ごされましたか?
お正月は、伝統的な行事が多く、日本の昔の暮らしを思い起こさせてくれます。
昔、日本で使われたのは、鼻緒の履き物でした。
いつから靴を日常的に履くようになったのでしょう。
昭和生まれの私は、子供の頃から靴を履いていました。いわゆるズック靴に爪先を差し込んで、爪先をトントンして踵を靴に入れ、うまく入らないときは、指で引っ掻けて靴の踵をはめていました。 靴べらなど使いませんでした。 誰もがそのようにして履いていましたし、紐靴はおしゃれ靴だとさえ思っていました。
ところで、経済成長期には西洋化された便利な世の中になっていきました。
昔は土間にあった台所は板張りのキッチンとなりました。
間取りを表す言葉「LDK(リビングダイニングキッチン)」が使われるようになり、畳の部屋が減りました。 同時に家のなかでもスリッパなどの履き物を履くようになりました。
郊外の山を切り開き、たくさんの家を建て、道を作り、自家用車が普及しました。
便利にはなりましたが、身体を動かさなくてもよくなり、運動不足になりがちということでもありました。
着衣や履き物にも西洋化が進み、鼻緒の履き物は一般的ではなくなり、靴が主流になりました。
けれど、靴の使い方は西洋化されていません。
家に帰れば履き物を脱いでくつろぐ昔ながらの生活様式は今でも続いています。
靴も、鼻緒の履き物と同じように使われています。
それは私たちの便利すぎる生活のなかでは健康に悪影響を及ぼすと意識されることもない程、靴は普通の履き物となっています。
歩くことは、足の趾を動かし、脚の筋肉の中にある血管の弁を使って血液を循環させる大切な仕組みだと、私はシューフィッターの勉強を通じて学びました。
西洋では、それをよく知って靴を使っているように思います。
西洋化された現代ですが、大切なことが抜け落ちたままになっています。
それを知ることで、家で靴を脱ぎ、足の趾を靴から解放する生活から、新しい靴の使い方を、日本から西洋に向けて発信できるのではないかと期待しています。
上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
永田 聖子