最近、筋肉や脂肪量などの計測機器に乗る人を背後から見ていたところ、第五趾の浮いている人が多くなっていることに気がつきました。 以前は、浮きゆびは子供に多いというイメージがありましたが、この頃は成人でも見かけるようになりました。
ところで店頭で足を計測中「ゆびが浮いてますね」と指摘しても、多くの方は「そうですか」で終わってしまうことが多いようです。 浮きゆびでどのようになるのかなどについては関心が少ないように思われる。 計測中に浮きゆびになっても歩けば自然と使われるのではと思っているのかもしれません。 しかし浮きゆびでは、立っているだけでもバランスが取りにくいことが考えられます。 さらに靴を履けばゆびの力が少ないため圧迫され歩調が弱々しくなることが考えられます。
さらに浮きゆびによる影響を考えてみたい。
第五趾が接地し力が入れば第4趾にも力が入りやすいことを、手の指で試しているところです。 本来は足のゆびで試したいところですが手のように器用にはいきません。 ただ器用さがないものの、手と足には同じように動く機能があると考え行ってみたものです。
写真は左右の小指にしっかり力が入った状態で薬指同士で引っ張っているところ、しっかり力が入っていることがわかります。 小指にしっかり力が入った状態とは、足ゆびであれば床や靴内、地面にしっかり接地していると考えたい。
次の写真は小指を浮かした状態では薬指に力が入りにくいことを示したものです。
小指を浮かした状態は足の第五趾(こゆび)が浮いていることを示し「浮きゆび」の状態です。
足は「あおり歩行」をしていると言われ、踵の接地後、第五趾から力が入り第三、二、一趾で蹴り返しをしています。 ここで第五趾が浮きゆびになっていれば、蹴り返す力が低下する(写真のように)と考えたいのです。 その結果足が上がりにくく、歩幅も短くなり、すり足の方向になっていく。
手の指で試したように、手指と足ゆびの機能が似ているとしましたら、足の浮きゆびは大きな問題なのです。 足は立つときも歩くときも身体の土台です。 さらに手と違うのは足は左右があることで歩くことができます。
こうしてみると「浮きゆび」という状態は大変なことで、足を計測することは重要なことです。
シューフィッター 大木金次
2021年02月05日
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