2018年11月01日

悪魔のトリセツ No.97 メリージェーン

靴の表示サイズが測定値と合っているのにパンブスが脱げる、歩きにくいと言う人の足を見ると、土踏まずがぐいっ、と下がっている状態が見受けられることがあります。

土踏まずが落ちていると言うより、足全体が内側に倒れているように見えます。一見、土踏まずの無い「偏平足」に見えますが、足のおやゆびを反らせると、ちゃんと土踏まずが現れます。
靴を履いていない状態では、それなりに立ったり歩いたりできますが、パンプスのような足の入り口が大きく開いた履き物を履くと、歩くごとに靴が脱げて困ることになります。

パンプスの入り口は、靴の底より少し小さくして、足の形にしてあるので、足が入ったあと、少し強い力で引き離さないと靴が取れないようになっています。
しかし、パンプスの後ろ半分の入り口が、倒れた土踏まずに押し広げられ、外くるぶしからこゆびの甲の骨の終わり部分にあたる靴の入り口が大きく開くと、靴の入り口が、ぱっくり開いた状態になり、かかとを上げると落ちてしまいます。
パンプスのかかと回りの中には「カウンター芯」が入っていて、辛うじて両脇から足のかかとを捕まえていますが、靴本体の重さや、曲がったアッパーの革が元に戻ろうとする力などが働くのです。
歩きづらいだけでなく、靴擦れが起こります。

解決策はいくつかありますが、簡単なのは、ベルトを着けてしまうことです。
「シューズベルト」などと言われる、パンプスに着ける便利な道具があります。アイドルの女性がパンプスに着けて踊っているのを見たことがありませんか? 腕に着けるアームバンドのように、ゴムの働きで体に密着します。
あのベルトは、パンプスの入り口を小さくするので、パンプスが劇的に脱げにくくなります。足の回りを囲んで、足から離れているパンプスの履き口を、ベルトで巻いて足に寄せ、しっかり足を支える効果もあります。

ベルトパンプスを、別命「メリージェーン」と呼ぶことがあります。女の子の名前で呼ばれるのは、昔の漫画のキャラクターだそうです。
今では細くてアンクレットのように優美なベルトの物がたくさんあります。
ベルトはただのデザインではなく、ちゃんと働いているのです。
子供っぽいと避けて歩く姿が崩れるより、靴のかかとが思い通りに操作できた方が、美しく歩けます。

靴だけ綺麗で、歩きにくいのがお好きですか?
綺麗な姿で歩ける靴がお好きですか?

上級シューフィッター /ウォーキングマスター/レザーソムリエ 永田聖子
posted by kemix4 at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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