2018年10月01日

悪魔のトリセツNo.96 シンデレラの薦め

みなさん、こんにちは。
芸術の秋、読書の秋。いきなり夏の名残の台風で始まる10月となりますが、今、これを書いているのは穏やかなお彼岸明けです。
みなさんに、被害がないことを願っております。

さて、読書と言えば、昔読んだ童話にも、靴が登場するものがあります。グリムやペローのシンデレラや、アンデルセンの赤い靴が有名ですね。
子供の頃は、憧れたり、ちょっと怖い感じがしたり、感受性を大いに刺激されました。
大人になってもう一回物語を思い出してみると、また違った感慨を持ちます。
童話には夢と同時に教訓が語られていると言いますが、この二つの物語は、靴の扱いに対する「警告」が隠されているように思います。

では今回は、シンデレラのお話をしましょう。

魔法使いが、かわいそうな灰(=sindereシンダー)まみれの女の子に用意してくれたのは、靴でした。
時間が経つと魔法が解けて元に戻ってしまうドレスやカボチャの馬車と違って、なぜか靴だけは、尋ね人の証拠として王子さまの手元に残ります。

もしかしたら、と私は考えています。魔法使いがくれたのは、靴だけだったのではなかったか、と。

実際、ハイヒールを着けた人は、背筋が伸びて、ゆったりしたエレガントな足運びになります。
同じ服を着ているのに、低いヒールの靴の時と、全く見映えが変りますが、秘密は2つ。そのひとつは「比率」です。

ヒールを着けると、足の甲が立ち、脛の長さに加わるので、下半身が長くなります。
ヒールを高くするに伴い、靴の爪先の深さに対して足の甲の見える部分が長くなり、足首や脛のの一部のように見え、ヒールを高くするほど、空を舞う妖精のような脚の長いスタイルに近づきます。
それにつれて、頭の大きさの、身長に占める比率が小さくなり、スタイリッシュな、小顔効果が発揮されます。
中でも究極のハイヒールは、バレエで使われるトウシューズでしょう。もはやヒールを無くし、足を垂直に立てて、足のゆびまでもを脚にしてしまえるような形になっています。


もうひとつの秘密は、美しいデコルテを作ることです。
洋服は、肩で着る、とも言います。肩から自然に身体に沿って落ちるラインは優雅です。
ヒールを高くすると、背伸びをしているような姿勢を取るので、自然と体幹に力が入り、上半身も伸び上り、背筋も伸びてバストが上を向きます。
首回りや、鎖骨、背中や胸の谷間は、女性の輝くような美しさを表現する場所、デコルテです。

筋力をしっかり遣い、美しい姿勢を保つことは、実は楽にハイヒールを「運転」するコツでもあります。
脚をすらりと伸ばし、小顔を作り、洋服映えするデコルテを作り、優雅な立ち振舞いを作るハイヒールは、女性の美しさを強調し、エスコートする男性の格調を上げます。

しかし、ヒトは妖精ではなく生物(ナマモノ)です。長い時間着けていると、筋肉が疲れてきて、姿勢の保持が難しくなります。
普段の生活や運動習慣などの影響で、「妖精」を演じられる時間は限られます。それは人により、またその時のコンディションや環境により、それぞれです。

姿勢を保持できなくなった時が、魔法の解ける時です。
魔法使いが「12時まで」とシンデレラに言い置いたのは、シンデレラがハイヒールを履いて美しくいられる、限界の時間だったのかもしれません。

「ハイヒールが疲れる」「脚が(足が)痛くなる」と嘆く前に、自分の現状の体力で、その靴を、どのくらいの時間、美しく履いて居られるか、量っておくのはいかがですか?
靴によって、靴下の材質によって、身体のコンディションやお天気、いろいろな条件で確認しておきませんか?
その靴とあなたの「シンデレラ時間」は、何分間ですか?



上級シューフィッター /ウォーキングマスター/レザーソムリエ 永田聖子
posted by kemix4 at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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