2018年08月05日

靴のクレームは多種多様

世の中にクレームのない商品はないと言われるが、靴のクレームほど千差万別でその内容が多義にわたるものはないでしょう。 
今まで顧客と接し二度とないと思われるようなクレームもあるが、靴は全ての方が常に使用する履きものですから誰でも情報を得ておくことは大事である。
一般消費者もテストをしている機関があることを知って頂きたい。
IMG かわとはきもの.jpg 縮小20%に.jpg
そこで、東京都立皮革技術センター台東支所に寄せられたクレーム品について紹介します。
「靴のクレーム事例から品質を見直す」として2013年から10回にわたってに取り上げられている。

2013年 163「靴底に関わるクレーム 屈曲割れ、摩耗、トップピースの
摩耗」
2013年 164「靴底Aとして 層間剥離(ミッドソールの剥離〔はくり〕)
        や滑り」
2013年 165「接着不良」
2014年 169「靴底の圧縮エネルギー(安全靴やヘルメットなどの圧迫時の
有効仕事量)とは」
2015年 174「ウエッジヒール」
2016年 176「甲部の変色に関するクレーム」
2016年 178「甲部の屈曲割れ・縫い目切れに関するクレーム」
2017年 180「靴の内側に関するクレーム」
2017年 181「見えない部品に関わるクレーム」
2018年 184「購入後に履きにくくなったクレーム」
以上の10冊に具体的な事例が107例 登場し試験および考察が加えられている。
IM 靴底の摩耗.jpg 縮小 40%.jpg
一例として「革底の摩耗が早い」について(以下、かわとはきもの から)
革製表底の片側に穴が開いてしまったとのクレームである。 穴の開いていない反対側もかろうじて持ちこたえている状態であったことから、使用限度に達したと判断しなければならない、とある。 革製表底は摩耗が激しいと言われているが、重要なポイントはどれくらいの期間着用できるかである。 今から25年ほど前、我々が行った実験において、紳士用のレギュラータイプで革製表底で50万歩、軽量化した底革で30万歩しか使用できなかった。 ゴム製の場合100万歩使用しても摩耗量が0.5 mm以下であった。

革製表底は早期に摩耗をしてしまうし、水と熱にも弱く繊細な底材料である。 しかし欧州での生産量は60年前と全く変わっていない。 これは驚異的なことである。 蒸れない、履き心地が良い、として高級靴に今でも使われているので愛用者は今でも減らない。
このことを伝統的な郷愁として捉えるのではなく、履き心地を科学的に捉えようとする動きも始まっている。と結んでいる。
以上「かわとはきもの・東京都立皮革技術センター台東支所発行」から(写真とも)

『履き心地を科学的に捉えよう』このような提言を大事にしたい。 履き心地という極めて難しく面倒な事柄について、我々はまだまだ論議が尽くせないでいます。 人の感覚という境地にはなかなか入りにくいというものの科学の目で追及することは重要である。
シューフィッター 【大木 金次】




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