2018年04月01日

悪魔のトリセツ No.90 ハイヒールパンプスは、二人で履くもの

人体はいつも真っ直ぐに立っているわけではなく、ほんの少し揺らぎながら、真っ直ぐに立てる姿勢のポイントを探しています。歩くときも、です。足のゆびを広げて、しっかりと地面をつかみながら、前後左右の揺れに負けまいと踏ん張っています。
歩くとは、交互に片足で立つ瞬間がやって来ることでもあります。振りだした足に、体を送り出しながら歩くので、動きは更にダイナミック。しかし、パンプスを着けて歩くとき、爪先を拡げて地面を掴むことができません。足のゆびの代わりに、靴のかかと回りの「カウンター」が、まるでガードレールのように、スタビライザーのように、横揺れを支えています。靴という限られた地面を足の裏に着けて歩くのって、実は大変なので、しっかりしたカウンターはとても頼もしい仕組みなのですが、限度があります。
だから、特にパンプスを着けて歩くときは、気合いを入れて体幹の力を使います。
そうしなくては、体幹から離れた手足に振り回されて、身体の動きを上手く統合できません。

中でもハイヒールパンプスは、パートナーにエスコートしてもらって、二人で履く履き物でもあります。

かつては路上の「落し物」から洋服の裾を守るためであったとかの成り立ちはさておき、 ハイヒールパンプスは、近代ではドレスアップシューズとして洗練されてきました。基本的に、荷物はクロークに預けて、持ち物は小さなパーティーバックと、パートナーの腕、です。

勿論、パンプスは、一人で歩ける構造になった履物ですが、パートナーの協力で、更に美しく歩けるのです。
パートナーの腕に、少し手を添えて歩くだけでも、身体から力みが消えて、歩きやすくなる経験をなさった方も多いのではないでしょうか。


美しい人は、その存在がパートナーの格を上げます。美しさとは、一種類のものではありません。健康で幸せで、心に余裕のあること。それは、内面からにじみ出てくるもので、まさに、十人十色の魅力です。ハイヒールを着ける人は、それも意識して立ち振舞いたいものです。

そして、美しい人と共に在ることを許された人は称賛されるのものだと、ハイヒールを着ける人にも理解していただきたい。

さて、その美しい立ち振舞いを支えるのは、エスコートするパートナーです。
そのパートナーのみなさんに、理解と協力を求めたいと思っています。


上級シューフィッター /ウォーキングマスター/レザーソムリエ 永田聖子
posted by kemix4 at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: