2018年03月05日

靴の傷みからアーチ(足)の低下を疑う

アーチの低下している足にお目にかかることが多くなっている。 その多くは若い方で20〜30歳代です。 足長が長くなっていることや足がひ弱になっていることも一因かもしれません。

アーチの低下に本人は全く気がついていない人がほとんどで、靴の話などをする機会があると自分の足が何となくおかしいという話になる。 足裏の話は決しておもしろい話題ではなく、友達間でも会話になりにくくさらに靴までどうする?とはならない。

アーチの低下している人が最初に語る言葉は「汚れている靴ですみません」である。 実はたまたま汚れているのではなく靴がどんどん変形しそれに伴い汚れてしまい手におえないのです。
 
そこでアーチが低下してくると靴はどうなるのか?という話です。
歩行中の靴の中では、健康な足でも一歩ごとに4ミリぐらい前すべりを起こすと言われている。 しかしアーチが低下すると前すべりはそれ以上になる。 その結果閉鎖的なトウ内では、つま先余裕が少なくなり足ゆびはハンマートウ(ゆびがまるまる・屈曲)になり、ゆびの上部がアッパーに当たりタコができることがある。 同時に靴のトウ上部が盛り上がって見え汚れが付いてくる。 もっとも目に付くトウの汚れは誰でもいやなものです。 最初は靴を磨く人がいるものの、履くごとにさらに汚れや歪みが見えてくると、磨くのが嫌になり手入れの回数は少なくなり、その内まったくおかまいなしとなる。 それが「汚れている靴ですみません」となるのでしょう。


アーチが低下してくると、足はうっ血状態になりやすく足の甲がわずかな圧迫で痛みを感じる人が多くなる。 そうするとソールやアッパー、インソールに軟らかいものがほしくなり、ひものない靴や踵回りに芯(月型芯)のないやわらかい靴選びになりやすい。 その結果、靴の後足部がくずれ、靴全体が数年も履いたように見えてくる。(ただ靴内のすべりが大きくなると硬めの腰周りでもホールドが利きにくくなる) 
その他アッパーの第五趾外側が切れてくることもある(外反扁平足など) 
またすり足になりやすくソールの摩耗がはやくなることもある。


以上のような状態を、自称「靴の傷みは足の痛み」と言っている。 靴が汚れやすいときや傷みが激しいときはアーチの低下を疑ってほしいものです。  そのような時はアーチを支えてくれる靴をシューフィッターの助言を得ながら探すことが大事なことです。 
シューフィッター 【大木 金次】 
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | 足の解剖学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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