2016年01月05日

足や靴に対する「ことば」の使い分け

靴生活や靴選び、シューフィッティングの中で交わされる「ことば」について、何かおかしい?と思われることを考えてみたい。 

靴売場の店頭で、「サンダルは裸足(はだし)で履きますか」とよく話をしている光景をみるが、裸足ではなく「素足で」という言葉を使ってほしい。 素足とは履きものを履くことを前提で使う、また家の中で使うことばであり、日本人の細やかで優しさのあふれた表現なのである。 おそらくこのような違いを区別して使っている国はないでしょう。 それだけに大事に使っていきたい。 裸足とは文字通り地面に直接立ったときに使われる。

靴購入の際試し履きをするが、販売員は「片足(かたあし)を持ってきます」という言葉をよく使っている。「かたあし」ではなく、「かたそく」または「もう一方の靴」という使い分けを願いたい。 最近は「かたそく陳列」が一般的になり、「かたあし」ということばを使う頻度が高まっている。 
子どもに対して「もうかたあしはどこにいった?」と玄関で言っている親が多い。 子どもは大きくなり、そのまま「かたあし」と使ってしまうことになる。習慣とはおそろしい。

「靴墨(くつずみ)」という言葉がまだまだ日常の中で使われている。 そろそろ「靴クリーム」と言ってほしいものである。 この頃「墨」というものが余り目にすることが少なくなった。 
しかも「墨」ということばには「黒」また「黒い」というイメージが残る。 時には「クリーム色の靴墨をください」などと使っている人にお目にかかる。 もう「靴墨」の時代ではないと思われる。

「つま先にキズが入ってしまった」などという人が意外に多い。  つま先は足の先端で足ゆびあたりのことである。 足と靴が混同して使われており、電話などで話されるとどの部分のことか混乱することがある。 「靴のトウ先」または「トウ先」と表現してほしいものです。

同じく足と靴が混同して使われていることばに、「踵を踏みつけないで」と話す人が大変多い。 「履き口を踏みつけない」または「腰回り」などのことばを使ってみてはどうだろうか。

「足底(あしぞこ)が傷んでいる」または「靴底が傷んでいる」という方がいるが、どの部分を指しているのか解りにくい。 「中底」「中敷き」、地面に接する「表底」などとはっきり区別をして使って頂くと解りやすい。

靴文化の向上には、足回り、靴回りのことばをはっきり使い分けすることが欠かせない。
シューフィッター【大木 金次】
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(2) | 足と靴の環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
以前より、貴殿の言う「トウ先」という表現に、非常に強く違和感を覚えておりました。
私の知る限り、靴のつま先をトウ先と呼ぶのは貴殿くらいしかおりませんが、シューフィッターの皆さんは、当たり前にそう呼んでらっしゃるのでしょうか?

そもそもトウ(toe)自体で既につま先の意味を持っていますが、なので、馬鹿正直にトウ先を訳すと、「つま先先」という変な日本語になります。

貴殿がどういう経緯でトウ先を使うようになったのかは存じませんが、貴殿の提案する造語なのでしょうか?

「靴のつま先」で用は足りると思うのですが如何でしょう。
「靴のトウ先」などと言われる方が、むしろ理解しがたく感じます。
Posted by だい at 2016年01月07日 14:00
だい様 ご指摘ありがとうございます。 おっしゃるように「靴のつま先」でもよいと思います。 また確かに「トウ」はつまさきを意味しています。 同時に靴の甲先を「トウ」とも言っております。 そのため「トウ」だけでもよいのですが、解りやすくするため「靴のトウ先」と私が呼んでいるものです。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。【大木 金次】
Posted by 大木 金次 at 2016年01月07日 17:35
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