2015年06月28日

革ができるまで

先日タンナーさんの見学会に行ってきましたので、その報告を今回はしたいと思います。
靴やカバンに多く使われる革はどのようにしてできるかご存知ですか。動物の生の皮のままでは製品には使えませんので、なめすという作業が行われます。なめすことによって皮は革になり腐りにくく丈夫になります。
このなめす作業や革の染色を行っている工場がタンナーです。なめす方法も大きく分けて二つあり、一つはクロームなめしといい、クロームという鉱物を使ってなめします。この方法できた革は主に靴のアッパーに使われます。もう一つは植物の渋であるタンニンを使ったなめしでこの革は主にカバンや靴の本底、中底に使われます。今回お邪魔した栃木レザーさんは主にタンニンなめしを行っているタンナーさんです。

革が革になる工程はざっくり言うと、洗い・なめし・染色・乾燥・仕上げ、という感じです。細かく工程を見ていきましょう。
1.原皮の水洗い 牛皮はほとんど輸入です。多くは塩漬けにされ水を含んだ状態で輸入されます。写真は原皮が積まれている状態。肉の部分も残っているので匂いもきついです。
DSC_0276.JPG
2.背割り 皮を分割します 3.石灰漬けによる脱毛 4.フレッシング 余分な肉や脂肪を取り除きます
5.脱灰 石灰を取ります 6.タンニンなめし ピットいうタンニン液が入った槽に付け込んでなめします。20日から8か月かかります。写真はタンニン液が入ったピット槽と革です。
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7.水絞り 8.加脂 脂を加えて革を柔らかくします。使う脂は魚の脂だそうです。ちなみに革自体には匂いはほとんどありません。製品の革からする匂いの正体はなめし材とこの油の匂いだそうです。
9.セッター 革を伸ばし厚さを均等にします 10.乾燥 11.革漉き 12.染色 13.再セッター 
14.再乾燥 水を含んでいる革は約50s、この段階の革でも20sあるそうです。最後の乾燥は薄い革でも4日間、厚いものだと1週間かかります。
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15.バイブレーション 乾燥によって固くなった革に刺激を与えて柔らかくします。 
16.塗装 17.アイロン&仕上げ 18.計量・検品 19.包装・出荷

こんなに多くの工程を経て革ができるのですね。知ってはいましたが実際に見てみるとびっくりです。作業自体も重労働で大変ですが若い方々が元気に働いていたのが印象的でした。味のある革の靴に出会ったら是非その革ができるまでに思いをはせてみたらいかがでしょうか。

上級シューフィッター 林 美樹
posted by ミッキー at 00:00| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>牛皮はほとんど輸入です

栃木レザーさんにおいてはそうかもしれませんが、現在は国産原皮の消費量の方が多いです。

Posted by みき at 2015年07月03日 16:59
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