2012年10月15日

サンダル履きで手先が器用・・・手術執刀医のはきもの

サンダルは身近なはきもの、履いている人は非常に多いが、重要な仕事や大事な行事などには他のはきもの(靴など)に履き替えるものと考える人は多いようだ。 
ところが先日のテレビのドキメンタリーでは、手術中にドクターが履いていた「はきもの」は今流行の合成樹脂のサンダルであった。 心臓を手術する執刀外科医、その最中の緊張すること10 時間余り、長時間のその姿はイスに座り踵が浮いており、頭には顕微鏡をかけ終了するまで同じサンダル。

ナレーターは足・脚に力が入り上半身の力が抜けている態勢と語っていたが、その話しぶりから手先の器用さは足もとから生まれていると表現していたようだった。 イスと左右のつま先足立ち、まさに三点支持。 おそらくつま先は極限まで開いているのではなかろうか。 踵を浮かすことでつま先は最大に広がる。 それは逼迫した時の動作である。 スポーツでも同じことで相手に勝つための足の態勢なのです。

そこでサンダルというはきものの評価について、冒頭にも上げた通り大事な時には履かない、という一般的な考え方は決して正解ではないことに気が付く。 大事な時ほどつま先が開くことでしっかりとした下半身ができ、そして上半身の力が抜けリラックスする。 その結果手先が思うように器用に操れる。 

はきものは履き分けが大事と言われるが、非常な神経を遣うときは、つま先が機能する履きものがほしくなる。 それには踵が瞬時に上がり履きものから抜けることも大切。 サンダルのほど良い弾力性のソールもいいのでしょう。 また術後そのサンダルを洗剤でていねいに洗っていたのには非常にびっくりさせられた。
足の解剖学を通して靴をみるとき、決して靴だけで議論を進めても解決の付かないことがある。 はきものという大きな枠、仕事内容なども考えることが重要ではないだろうか。 
その中には素足や裸足も入るのかもしれない。
シューフィッター 【大木 金次】

posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | 人の足と靴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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