診療所を構える整形外科の先生がしみじみと私に語ってくれたことがある・・・靴が合わずに悩んで来院する多くは非常に暗い顔をして訪れるという。 そのようなときは足を計測して触診を行い足をさすり、履いてきた靴を調整してやるのがいつものパターン。 それでだめなら準備している靴にインソールをその場で作り診療所内を充分に歩いてもらう。 何とその瞬間に明るい顔つきに変身するというのである。
そして話はまだ続く・・・患者の足を治療して、靴の調整が終わると満面の笑顔に変わる。 そのように変身するのは整形外科の領域だけかも知れない。 足というところは不思議なところであると語ったのです。
整形外科の看板を掲げていても靴で困っている人を診る先生はほとんどいないのではないか。 口コミで広まり、足が痛いのにもかかわらず遠方から患者は診療所に来るのである。 この先生は「足を診る医者は街中にほしいものだ、その理由は車があるとはいえ痛い足で遠方から来るのは大変なこと、『そうだろう!』」と大きな声で語ったのです。
本当にその通りで歩きにくいという足の辛さは他人には解りにくい。 足の痛みなどは家族にでも話さないものである。 足を診る診療所が歯科医のように街中にほしい、日本の今後の課題である。それは今の若者は足が弱すぎるからで、将来医院を訪れることが多発するのではないかと予想されるから。 仕事冥利は、医師でも患者のしぐさに笑顔がこぼれるときなのであるる。 シューフィッター【大木 金次】
2011年04月15日
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