ちかごろ道行く人の足元は、スニーカーが圧倒的に多いように見えます。
スカートにスニーカーを合わせても自然な感じになり、おしゃれが身体に負担をかけないようになって良かったと思います。
ところが、靴ひもを緩めに留めて、踵を余らせて歩いていて、せっかく爪先ゆったりの、趾を開いたり握ったりできるスニーカーなのに、靴先の方に足が詰まってしまって、かえって趾を窮屈にしています。
靴ひもを結んだまま着脱できる、
「脱ぐためのフィッティング」のまま、歩いている人がとても多いのです。
それは、歩くことよりも着脱を優先するフィッティングです。
家に帰れば靴を脱ぐ私たちには必要なフィッティングだとも言えます。
さて、その人たちの靴をよく見ると、踵周りにガクガクとしたシワが入っています。
それは、靴に足を入れる時、靴の踵を踏んだ跡ではないでしょうか。
これは無理もないことだと思います。
靴を脱がない地方で発達した文化を、靴を脱ぐ地方の文化にそのまま取り入れるには無理があります。
靴はとても優れた履き物です。
巧く使えば、足を汚したり怪我をしたりせずに、素足で歩くときにのように自由に身体を使うことができます。
それを知ったとき、気持ちよく靴の紐を締めることができるようになりますよ。
お近くにシューフィッターの居るお店があれば、靴を買うときに、上手に靴を使う方法を尋ねて下さいね。
上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
永田 聖子