2024年08月01日

悪魔のトリセツ No.166 趾を包まないハイヒール 

スニーカーブームがずっと続いています。
やせ我慢するのではなく、自然体で、健康的に在ろうとするトレンドを、私も好ましく思っています。
そういえば、たまたまかもしれませんが、街中でハイヒールで歩いている人を見かけることが少なくなっているように感じます。
一見、10センチ近い高さのヒールでも、靴の前方の底も数センチの厚みがあるものをよく見かけます。いわゆる、厚底です。
ハイヒールに見えても、実際は中ヒールで、足の裏に強い負担をかけず、スタイルアップの効果が絶大です。
でも、厚底であっても、やっぱりパンプスはパンプスで、爪先を小さく集めてまとめる履き物なので、スニーカーほどには活動的になれません。
やっぱり履き物は、使い道に合わせて使うのが一番だと思います。

同じサイズ表示のパンプスとスニーカーを、裏返して靴底側から比べてみます。特に爪先部分は、スニーカーの方が大きいのがよくわかります。
足は、しっかり強固な後ろ部分と、柔軟で自由度の高い先の部分が、土踏まず部分を境に分かれます。
足の柔軟に動く部分の自由さを確保すべく大きく作られているのはスニーカー、
柔らかくて形が変わりやすい爪先部分をがっちり固めて小さくまとめるのがパンプスです。

ところで、暑い夏は、趾を包まない、サンダルが履けます。
土踏まず部分を靴底に留める仕組みは、スニーカーと似ています。
スニーカーには及びませんが、歩きやすいデザインです。
ハイヒールでも、趾を包まないので、パンプスに比べれば、少し趾は自由になれます。
夏こそ、これを使えるチャンスです。

上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
   永田 聖子
posted by kemix4 at 13:57| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月05日

靴の中に手を入れてみましょう

使用中の靴の中に手を入れてみると、時には生温かいものを感じることがあります。 それは決していい感触とは言いがたいようですが、いろんなことに気づく始まりと言ってもいい。 靴の販売員は履いて頂く前に、靴の中に手を入れ確認してからお客様に差し出していますが、購入後も靴を履くときは毎回手を入れてから履くよう習慣にしてほしいものです。 
 
写真は靴を分解した後のアッパー(甲)裏です。 
分解したきっかけは、お買い上げ後に処分を依頼され試しに手を入れてみたもの。 この靴は、トウ(靴のつま先)が広い割合に厚みが少なく、アウトドアっぽいデザインと革の風合いで、長年ベストセラーに近い売り上げを得ている。 
しかし「ふたを開けてみると」という言葉どおりで、内部は摩耗でかなり傷んでいる。 不思議なことに、アッパー裏の擦れで履きにくい、また痛いといった申し出は皆無でした。 ただソックスを脱いでみるとどうでしょう。 おそらく足ゆびの上部にタコができていると思われるが、それでも使用者は何の疑問を持たないで使用している。
DSC00881 フィッテング 重要4.jpg

そこでちょっと想像してみました・・・この靴を他の人が履いたらどうでしょう? おそらく足を入れた瞬間に違和感を感じて、靴の中に手を入れ探ってみるのではないでしょうか。 その感触から「これでは履けない」となるでしょう。

写真を見ていると、毎日のわずかな靴との摩擦で進行したもので足は気づいていない。 このような状態を発見するには「手」を使いなぞってみる以外になさそうです。

写真から足のゆびは背屈と底屈の連続であることに気づく。 しかしそのような動きを可能にする「つま先余裕」に関心を持つ人は非常に少ない。 なぜ「つま先余裕が必要なのか?」という啓発の必要性を感じます。 足ゆびの長さや太さ高さなどのサイズは人さまざまで、すべての方が写真のようになるとは言えませんが、確かなフィッテングの必要性を感じます。  

歩幅をしっかりとるには十分なゆびの背屈が始り?と言ってもいい。 足ゆびは手指と同じで五本に分かれており力が入る。 できれば手のように何の障害もないことに限るが、靴を履かなければ何もできない。 そこで靴の難しさに気づいて頂きたいのです。 
 
トウ先の厚みの薄い靴を選ぶときは、ゆびの上下が軽くできるか? 歩幅が伸びやすいか? さらに蛇行しながら軽く歩きこなせるか?など、購入前にゆびに神経を寄せながらチェックすることを勧めます。

シューフィッター 大木金次
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | フィッティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月10日

高齢者の足と靴

自宅でお元気にお過ごしの方も、施設入所の決断をする時がやってきました。
家でスリッパを履いておられましたが、後ろにベルトをつけて欲しいと依頼を受けました。
遠方にお住まいなので、作ってお送りする事になります。
電話のやりとりで、完成させお送りする事ができました。

高齢になると筋力も衰え、立つことも慎重になります。
長らく履いてくださっているので、ふらつきにくい事、安定した歩行が出来ることを実感されているようです。
「履き物」に目を向ける、意識する事で転倒予防を回避することができるように思っています。
高齢者の足元を見ると、しっかりとしていない、安定していないと感じることが多いのです。
体は年齢を重ねるごとに変化します。その変化に対応していくことがとても大切です。
どうすれば良いか分からない時も多いのですが、常日頃から気をつけていると気づくことが多々あります。
若い時から、体全体を意識して運動をするようにしたいものです。
オリンピックの活躍や高校野球の素晴らしさで感動するこの夏、ご自身の体もしっかりと動かしましょう。

後ベルト無.png

下準備.pngバルト2本.png

ベルト2.png

シューフィッター 池川成子
posted by k-burogu at 00:00| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする