2024年03月01日

悪魔のトリセツ No.161 ターニングポイント

最近目にする新築物件の間取りには、
畳の部屋が、珍しくなってきました。
いつの間にか、洋室だけの間取りになっています。

洋室の良さは、手入れのしやすさと、バリアフリー仕様でしょう。
椅子やベッドの腰掛けスタイルの生活は、膝など下半身の関節にも優しいように思います。
では、その洋室で過ごすとき、素足で過ごされるのでしょうか?
それとも、何か履き物を使うのでしょうか?

さて、ここでまた、悪魔の気配を感じます。
日本では、家に帰れば履き物を脱いで、趾(あしゆび)を解放するライフスタイルでした。
だから、外履きでいじめられた趾を、家に居る間に解放して、リカバーできるものと思っていました。
でも、板張りの洋室では、スリッパなどの室内履きを使う方が多いかも知れません。
そのスリッパの中で、趾の先が、握って丸まっていないか、心配です。
でも、近頃は、鼻緒タイプのスリッパも見かけます。
家の中での履き物も、多様化が始まっているのですね。

お家の中で、どんな履き物で過ごすのか、または履き物を着けないのか、それらの選択は、足や身体の健康を左右するものになるかもしれません。
まさに今、日本の履き物生活は、ターニングポイントを迎えているように思います。

今のところ、室内履きは、靴屋さんの守備範囲外のようですが、これからは家で足を守るための、新しい履き物が生まれるかも知れませんね。
私たちの足と靴と健康においても、ターニングポイントです。
おうちで過ごす履き物を考え直してみませんか?



上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
   永田 聖子
posted by kemix4 at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月05日

靴の売り場で靴磨き

最近、靴屋さんの店頭で靴を磨いているシーンを見ることが少なくなった。 中には家庭でも靴を磨くことを忘れている方がいるような気がしてならない。 さらに磨く道具さえないという家庭もあるようです。 この頃足もとが汚れているのはそのためかもしれない。  

下記の写真は靴売り場の中央で顧客の靴を磨いているところ、販売員が中座しているスキに一枚拝借したところです。 顧客は磨いている途中いろいろと話をしてくれるが、中でも「靴を磨いてくれるとは贅沢ですね」という言葉は忘れられない。 また「靴を磨いて頂いたのは生まれて初めて」と語った方も多い。 それほど感激をしてくれるのは、とてもうれしいことです。
DSC00159 道具 ケア.jpg

最近は売り上げ第一になり、顧客の靴を磨く余裕もなくなってきている。 左右の靴を磨くには簡単にやっても10分ほどかかります。 

下記のシューケアボックスは三台とも友人の吉良基一氏から寄贈頂いた手作り品です。 一番新しいボックスは引き出し式のもので、道具が取り出しやすくなっている。 
DSC00257道具.jpg

靴をフィッテング中「ここは靴磨きもやってくれるんですか?」と驚かれたお客様がおりました。 さらに「大阪は靴まで磨くんですか?」とびっくりされた旅行者もおりました。

最近は靴を磨かない若者が多くなってきました。 
その最大の要因は靴を磨くシーンを見ることがなくなったから?  以前は駅や空港でもみかけましたが、最近はその姿すら見なくなりました。 
せめて靴を販売する店頭で靴を磨くことをやってほしいものです。 今や磨くものは「靴ぐらい」と言ってもよさそうですが、それもなくなるのはとても残念です。
 
身に着けているもので、もっとも汚れているものは「靴」と言われています。
キャンバス地の靴は中敷きを抜いて水洗いをしましょう。 靴の管理は見た目も大事ですが、衛生上も避けて通れません。 

革靴は動物の革を使い、たくさんの人が関わり作られています。 それだけに大切にしましょう。  

シューフィッター 大木金次
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | 足と靴の環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月10日

高齢者の足と靴 靴底への信頼性

高齢者だけではありませんが、靴の底を確認して靴を購入する方は少ないように思います。
3月ですが、寒い日が続いて地面が凍ってしまったり、急に暖かくなって雪解けのように濡れていたりと、歩く時の状況としては良くない事も出てきます。
できるだけ、滑りにくい靴を履いて、安全に歩いて欲しいと思います。
ハイキングや山に登る時も、大切です。
比較的、その時は注意して靴選びをされるのですが、やっぱり普段の靴の底材が軽視してしまいがちです。
どんな時も自分と路面を繋ぐ大切な箇所であることを意識して欲しいです。

私の店にある修理の時に使ういくつかの底材です。
日本薄い厚い.png
本クレープ板:履き心地の良さ、足裏への感触も良いので使っています。日本製のもので生ゴム(ラテックス)素材。
フランス薄く軽い.png
フランス製で、軽くて耐久性が良いのです。最近使い始めました。
通常は踵が減りますが、踵もつま先も同時に減る方がいます。
そんな時もグリップ力があるので、使っています。

でこぼこした感じ、柄がある底材、どちらも厚みや軽さもいくつか種類があります。
手で触れてみると滑りにくさを感じて頂けます。
靴の購入の際に靴裏を触ってみましょう。

靴底が減ってくると、ツルツルしてきます。
とても危険です。
滑りやすくなりますね。
購入後の靴底の点検はもっと大切です。

高齢になると、日々の歩行は山登りの時のように注意したほうが良いかもしれません。
しっかりと靴下を履き、紐を締め(マジックなど)そして地面を踏みしめる。
足の筋肉の衰えや爪のトラブルが出てきたりしますので、足裏全体で地面に着地する。
高齢と言っても、とても元気な高齢者も増えてきましたので、注意をする時期を自分で気づくようにしたいものです。
靴底が信頼できるものかどうかを見極める練習をしておくと良いと思います。
靴底の種類には色々ある事を知り、触って見ましょう。

ビブラム.pngIMG_8425.JPG

イタリア製の有名な底材です。
ゴム入りEVAです。
ゴムは一般にわかりやすいですが、EVAは通常耳にされないと思います。
合成樹脂の一つになります。
食品でしたら、どんな栄養素が含まれているかを知る機会が増えました。
残念ですが、靴の素材に関しては話題になる事はほとんどありません。

靴を扱う者だけでなく、靴を履く方が自分の為に、素材にも心配りましょう。



シューフィッター 池川成子


















posted by k-burogu at 04:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする