今月の藤井恵さんのブログの内容と一部ダブりますが、先日ドイツのフットケアの専門家であるアンケ・ニーデラウ先生の講演について書きたいと思います。(今月の藤井さんのブログも併せてお読みください)
「爪病変大辞典」という爪のトラブルとその対処法がぎっしり詰まった本の日本語版の出版記念講演で、東京・名古屋・京都の3会場で行われました。その東京での講演を聴いたのですが70人近い聴衆が熱心にお話を聞いていました。この日本語版の出版に尽力されたのが、この共有ブログでもおなじみの藤井恵さんです。
藤井さんは仲間のメンバーと出版費用を得るためにクラウドファンディングも行い成功しました、また今回のアンケ・ニーデラウ先生の来日も以前からの夢であったとのこと。
本当に素晴らしいことです。夢を持ちそれに対して努力すること、そして必ず夢はかなうことを改めて教えて頂きました。
さて先生のお話のトップに来たのが、爪トラブルの原因でした。そして最初に出てきたのが靴の話でした。これには驚きました。
フットケアの専門家がまず靴と足のフィッテイングの重要性を語る、というのは我々シューフィッターにとっても心強いことです。先生は靴のフィッテイングに関してもとても詳しくまるで海外のシューフィッターの方の話を聞いている錯覚に陥りました。
その中で一番大切なのはトー部(つま先部)の問題でした。一番長い趾から靴の先端までは捨て寸という隙間がないと趾先を痛めてしまうのですが、その重要性を話してくれました。日本のシューフィッターのテキストには捨て寸は女性1センチ、男性1.5センチと書いてありますが、これは各国共通ではないようです。ただ捨て寸が重要なことは世界共通であることが再認識できました。
僕は常々フィッテイングのポイントで一番重要なのはつま先!と話しているので大変うれしかったです。
ちなみに僕がつま先で重視しているのは 1.捨て寸が適正にあるか 2.母趾が靴の中で上下に動くか です。
この二つの条件がそろわない靴は買ってはいけないと思います。理由としてはつま先には多くの靴は先芯という固い芯が入っているからです。これはつま先の保護と型崩れ防止のためなのですが、固い芯のため馴染むことがないのです。
そのため履き続けていっても捨て寸がなければずっと捨て寸がないままであり、必ず爪や趾に悪影響を与えます。
今後も分野が違う方の話を積極的に聞き自分の知識の確認や新しい視点を見つけていきたいと感じました。アンケ・ニーデラウ先生、藤井恵さん、本当にありがとうございました。
最上級(マスター)シューフィッター、健康ウオーキング指導士 林 美樹