2023年07月01日

悪魔のトリセツ No.153 メイクアップのための靴

私たちの身体は本当に良くできていると思います。環境に適応する力も優れています。
ヒトは未完成のまま産まれて、環境を学習しながら発達していきます。
だから、発達の途中は、たくさん学習して、この先の長い人生で何があっても対応できるよう、身体を作り、身体をコントロールする技術を身に付けていきます。

成長期ほどではないにしろ、成人しても適応力があります。
すべての暮らしや仕事に置いて、安全に、動きやすいよう、身体は適応を続けています。

日本の伝統的な生活スタイル、つまり家に帰れば履き物を脱ぐ、床上に暮らす人たちと、
家の中でも土足で暮らす人たちの、
適応の仕方も違うはずです。
大きく左右するのは、履き物の使い方でしょう。

土足生活の人にとって、履き物は身体の一部であり、大切な道具です。
家で寛ぐための履き物と、出掛けるときの履き物を使い分けています。

赤ちゃんが初めて歩き出すときにも、早くも履き物が必要です。
足の発達を遮らないような形状の靴が必要で、成長が速いので、次々に履き物の大きさを変えていくことになります。

土足スタイルでは、家で寛ぐための履き物は、歩きやすいようにはできていません。寛ぐためですから。


そして、出掛けるときに着ける靴はきれいな姿勢で歩けるようになっています。
洋服は「肩で着る」ので、姿勢が崩れて肩の位置も崩れてしまうと、洋服のデザインが台無しです。
出掛けるときの履き物は、洋服にコーディネイトして爪先を美しく整える、「メイクアップ用品」になるでしょう。
寛ぐ「オフ」ではなく、
装う「オン」です。

さて、日本の伝統的な生活スタイルにとって、寛ぐための履き物は存在しないことになります。家では履き物を脱ぐからです。
日本での靴はすべて、「メイクアップ用品」ではないでしょうか?
私たちが探し求める「楽な靴」とは、素足のことを指すのではないでしょうか?

私たちにとって、外出用の靴はすべてメイクアップシューズと呼ぶべきかもしれませんね。


上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
   永田 聖子
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2023年07月05日

靴の保管(自宅で)はどうされていますか?

靴の箱に入れたまま保管すると中身がわからず、そのまま数年も経ってしまうことがあります。 ずいぶん以前のことですが、数年箱に入れたままの靴を出して歩いてみたところ底がボロボロになり崩壊してしまった。 そして「どうしてこのようになるのか」とお小言を頂いたことがありました。 
そのようなことを防ぐためにも、箱に写真を貼ってみてはどうでしょうか。
DSC01239ケア 文化 50%に 片側トリミング.jpg

小生の自宅では靴の箱から出してトウ(つま先)を前方に向けて(靴屋さんの陳列と同じ)靴棚に保管をしています。 そうすると今日の洋服にどの靴が適当かが一瞬でわかります。 ときには靴選びを優先して後から洋服を選ぶときもありますが。 
奥様の靴箱や子どもさんの靴箱にも写真を付けてみてください。 大喜びされると思いますよ。

次の写真はお客様からお預かりしたときのものです。 
イラストが入り靴の雰囲気が一発でわかります。 「冬」という文字がいいですね。 それから日本サイズ・購入店・購入時期・カジュアル・カーフと、革の素材名まで入っています。  靴やファッションに相当詳しい方のようで、大切にされている様子がみえます。
DSC01210ケア 文化 縮小済み.jpg

イラストに堪能な方は挑戦をしてみてください。 写真よりも気持ちが入るのではないでしょうか。

いっとき、自宅でも中身が見えやすい透明の箱を開発しようと考えたことがありました。 しかし強度などから感触がごつくなったり、コストがかかる、引き出しに不便など、開発のハードルが高くなり断念したことがありました。 やっぱり靴の箱は紙がいい、湿気対策からもということに。

皆さん、  
今は梅雨の時期・・・箱のフタの閉めっぱなしは注意です。 昔からこの時期は畳を上げて天日干しをするという習慣があります。 靴にもそのような配慮を願いたいものです。
シューフィッター 大木金次


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2023年07月09日

高齢者の足と靴 紐からマジックへ

暑い日が続いています。
ついつい、サンダルばかりになっていませんか。
暑い夏が終わって、秋になると足の不調を聞きます。

夏も歩く時は靴を履いてみてください。
元気になります。
慣れるまでは、足が締め付けられるような気がしたり、暑いので脱ぎたくなる方もおられます。

高齢者の方が紐を結べなくなったら、紐靴にマジックにしてみます。

快適に履いていただいてます。
83歳に方が履いてくださっています。
メンテナンスをしながら、履くので綺麗ですね。

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この靴には、ローリングがついていないのですが、大丈夫。
マジックをしっかり締めて履いてくださっています。
靴をフイットさせるために、どうすれば良いだろうと一生懸命、考えてくださっているからだと思います。

歩く時に足が上がっていない事が増える高齢者が多いですが、足の事を考えたり、しっかり紐やマジックを締める事で、足への意識が高くなり足の上がり若々しい歩行ができます。
丁寧に履く、綺麗に歩く。
その繰り返しが、筋力低下を防ぎます。

夏、サンダルを履く時間が増えると、良い習慣も忘れてしまいます。
気をつけてください。
暑い日、靴を履く機会を作るようにしてみませんか。
試してみましょう。

靴下も工夫してみると、元気に夏を乗り切れます。
クーラーのきいたお部屋にいる事も多いので、冷えに注意します。
逆にクーラーをつけづに、熱中症になる方も増えています。
予防のためにも体を動かす、歩く事を継続してください。

シューフィッター 池川成子



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