私は、履き物を履いて歩くとき、自分専用の地面を足の裏に携帯した状態で歩くと考えています。
自分専用地面の携帯方法の違いが、履き物のデザインの違いとも言えると思っています。
歩き出すと、足は動き回ります。
大まかに、3つの状態があります。
@地面に踵が着いていて、爪先が浮いている状態、
A地面に爪先が着いていて踵が浮いている状態、
B地面に踵も爪先も着かないで浮いている状態
「歩きやすい」とは、それらのどの状態でも、自分専用地面が外れない事だと思います。
しかしそれは、至難の技です。
足のゆびは動き回り、土踏まずは伸び縮みし、着地の度に足は地面の上を滑ります。
一番上手く専用地面を足の裏にくっ付けるなら、踵回りと足首の近くを専用地面とつなぐべきです。
だから、動きが激しいスポーツなどに紐靴が用いられるのだと思います。
ハイヒールパンプスは、肝心の足首周りに紐などないのに、歩きやすいのが不思議です。
よく見ると、パンプスの踵周りの芯であるカウンターは、土踏まず付近にまで続いています。
土踏まず付近はまさに、足首の近くの真下にあります。
踵回りから、足首の近くにかけて、硬い芯でガッチリと足を挟み込んでいるのです。
歩きやすいハイヒールパンプスの秘密は、長い踵周りの芯、カウンターに大きな秘密があるのです。
さて、靴も工業製品です。
足長表示が変わると、踵周りの大きさも変わります。
だから、自分の足長を知り、靴の踵周りと足の踵周りを合わせる事が、歩きやすいハイヒールと巡り会うひとつの方法です。
上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
永田 聖子