2023年04月01日

悪魔のトリセツ No.150

私は、履き物を履いて歩くとき、自分専用の地面を足の裏に携帯した状態で歩くと考えています。
自分専用地面の携帯方法の違いが、履き物のデザインの違いとも言えると思っています。

歩き出すと、足は動き回ります。
大まかに、3つの状態があります。
@地面に踵が着いていて、爪先が浮いている状態、
A地面に爪先が着いていて踵が浮いている状態、
B地面に踵も爪先も着かないで浮いている状態

「歩きやすい」とは、それらのどの状態でも、自分専用地面が外れない事だと思います。
しかしそれは、至難の技です。
足のゆびは動き回り、土踏まずは伸び縮みし、着地の度に足は地面の上を滑ります。
一番上手く専用地面を足の裏にくっ付けるなら、踵回りと足首の近くを専用地面とつなぐべきです。
だから、動きが激しいスポーツなどに紐靴が用いられるのだと思います。

ハイヒールパンプスは、肝心の足首周りに紐などないのに、歩きやすいのが不思議です。
よく見ると、パンプスの踵周りの芯であるカウンターは、土踏まず付近にまで続いています。
土踏まず付近はまさに、足首の近くの真下にあります。
踵回りから、足首の近くにかけて、硬い芯でガッチリと足を挟み込んでいるのです。

歩きやすいハイヒールパンプスの秘密は、長い踵周りの芯、カウンターに大きな秘密があるのです。

さて、靴も工業製品です。
足長表示が変わると、踵周りの大きさも変わります。
だから、自分の足長を知り、靴の踵周りと足の踵周りを合わせる事が、歩きやすいハイヒールと巡り会うひとつの方法です。

上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
   永田 聖子


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2023年04月05日

ぞうきん絞りに似る「あおり歩行」

ピクチャ 4 骨格 (3).png
あおり歩行(上記 図)をみると足は実によくできていると思わざるをえない。 一般の方にも「あおり歩行」または「ローリング歩行」という言葉が使われることを願っています。 
「あおり歩行」はほとんどの方の歩行動作ですが、高齢になると少しむずかしくなるようです・・・歩き始めは踵から接地し、さらに第五趾(こゆび)が接地して、最終は第一趾(おやゆび)で蹴り返すという動きが「あおり歩行」です。

「あおり歩行」の効果は、滑らかな歩行と力強く歩けることにあります。 極端ですが猫のように何の音もせず歩き通せる。 さらに歩幅も広くとることができ、長時間歩いても疲れにくい、人間らしい歩きかたとも言われた研究者がおりました。
足は第五趾から接地が始まると蹴り返しに力が入りやすいのですが、反対に第一趾(おやゆび)から力が入るとゆび全体に力が入りくい。

このような歩行をわかりやすく表現すると「ぞうきん絞り」が上げられます。 足の動きは手に似ると考えています。
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ぞうきんをタテ(写真)に持って絞ると両手に力が入りやすいことがわかります。 その時の手つきをみると「こゆび」から力が入り、そして最終おやゆびで絞りきれます。 このような例から、あおり歩行はぞうきん絞りに似ていると、小生が勝手に言っているものです。
反対にぞうきんをヨコに持つと絞るとおやゆびから力が入りきっち絞ることがむずかしい。 そうするとヨコに持って絞ったぞうきんは乾燥に相当な時間を要してしまいます・・こんなことはお笑いのような話ですが、最近の若者にヨコ絞りが増えているような気がします。 その要因は、ぞうきんを持って拭くことも絞ることもなくなりつつあるからではないでしょうか? 

ただぞうきん絞りは毎日の事ではありません。 しかし歩くことは毎日欠かすことができません。 しかも歩行回数は膨大なもので、さらに健康問題としても重要なことです。 きっちりゆびを使って歩けることは基本的なことです。

靴の話になりますが、あおり歩行をするには充分なつま先余裕(靴)が必要です。 靴を選ぶときはシューフィッターからアドバイスを頂きましょう。 「あおり歩行」に関心をもって頂きたいものです。
シューフィッター 大木金次

 
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2023年04月09日

シニアが履くトレッキングシューズ

今年は、早い開花でした。
お花見に行かれた方も多かったと思います。
春は次から次へと花が咲き、出かけたくなりますね。

普段あまり履かないトレッキングシューズを履いて、靴擦れをしてしまいました。
平坦な道を歩いている時は良いのですが、坂の多い所にお花を見に行くとなりますと登山の用意です。
準備をし、練習のつもりで履いてみました。
いつもの靴に比べて、硬くて重いです。
靴紐もしっかり締めて、フイット感も確認します。

通常のウォーキングは踵着地ですが、トレッキングシューズは足裏全体で着地します。
足を地面に下ろした時に足裏全体で体重を支えます。
坂ですから足首のグリップも使うことになります。
分かっていても、つい踵着地のいつもの歩き方になってしまいます。
踵が擦れて、靴擦れができてしまうことになります。
事前練習の時も注意して歩くようにしてください。
IMG_4178.JPG

靴の踵のカーブが自分の足の踵と合わない時があります。
すぐに馴染んできますが、新しいものは慣れるまで時間がかかります。
少し機械で伸ばしてみると効果がありました。
丁寧に合わせて行く事が大切だと思います。

購入するときは、ソールの素材も注意してください。トレッキングシューズは、滑らないように工夫されています。見た目だけでなくその素材も確かめるようにすると安心です。アッパーも濡れた時も対応できる素材を選びたいです。雨が降ってきたり、前日の天候のために地面が泥濘んでいたりすることがあります。いつもの道とは違う天候の変化がある事も予想しておきたいと思います。

花咲く季節、藤や紫陽花など、坂の多い花の山へのハイキング増えるでしょう。
コロナ禍で、行けなっかた所にも出かける事が増えてきました。
そして、トレッキングシューズを履くことで、歩き方の練習をし、いつもの歩行時にも役立ててください。
足裏全体で、身体を支えることが必要な時が必ず訪れると思います。

シューフィッター 池川成子



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