春の靴は明るい綺麗な色が多くて欲しくなるけど、どうコーディネイトしたら良いかわからないから、結局黒い靴ばかりになってしまうという話をよく耳にすることがあります。
なぜか、黒。
迷ったら、黒。
靴も、お洋服(特にボトムス)も、
黒なら間違いない、と安心するのなら、
なぜ黒だと安心するのでしょうか。
黒は、強い色です。
他の色の明るさ、色味や、シェイブをくっきりと引き立てる、強い色です。
後退色とも言われ、明るい色に比べると、小さく見える特徴があります。
それに、「黒子(くろこ)」の意味があるように思います。
歌舞伎など、日本の伝統芸能では、
「黒子」が活躍しています。
舞台の上に居ても、居ないことになるのです。
私たちは、あんなに強い色を見ていても、無いことにしています。
だから、明るいボトムスや靴下にも、黒を合わせたくなるようです。
でも、靴だけ黒で切り取ってしまうと、その分脚が短くなります。
ボトムスも靴も明るい色に揃えると、爪先まで続いて見え、上半身を小さく(短く)、下半身を大きく(長く)見せる効果が出ます。
明るい色は膨張色と呼ばれ、大きく(太く)見えることがあります。
けれど、ウエストから下を、ひと繋がりに明るい色で続けると、上半身が華奢に見えることになり、スタイルよくコーディネイトをまとめることができます。
お店はもう、すっかり春です。
明るい靴下の色やボトムスの時には、思いきって明るい靴を履きませんか?
上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
永田 聖子