2022年10月01日

悪魔のトリセツ No.144 靴の原罪

みなさん、こんにちは。

私たちは日頃、衣食住に必要なものや欲しいものを、お店などでお金を支払って手に入れていますが、家庭菜園や、DIYなどで、自分で作って使うこともあります。
靴も、自分で作る人もあるかもしれません。
私はお店で買っています。

私の求めた一足は、どこか遠くの靴工場で作られ、縁あって私の手元にやってきました。私の足なぞ見たこともない人が作っているのに、履いて歩けるのは驚きです。

ところで、足という、とてもパーソナルなものに対して、靴は工業製品です。
人の足は左右対称ではないのに、靴は左右対称になることを目指して作られています。
また、いろんな形の足が入るよう、計測や計算や伝統や経験などを元に工夫を凝らして作られています。
厳密に足長に合わせることはできませんが、たいていの靴は、日本の規格なら0.5刻みでサイズ表示されています。
足のサイズの割合の多い物を中心に、たくさんの靴を、一度にたくさん作り、たくさんの人に買ってもらう、薄利多売のシステムです。
生産コストを下げ、企業努力を重ねに重ねて、私たちに手の届く価格になります。

つまり靴は、誰の足にも合わないように作られているとも言えます。
それが、靴の原罪なのでしょう。

丁寧に足を測って観察し、数ヶ月から半年も1年もかけて木型を作り、1人だけのための靴を作るお店もあります。
そういうお店なら、微調節も、靴の馴染ませ方や使い方もなど、その人の手に渡ってからのメンテナンスもしてくれるのではないでしょうか。
でも、そのような贅沢な靴を日常的に求める事ができる人は限られるでしょう。
しかも、流通や設備などの事情で、ひとつのお店ですべてのデザインやスタイルの靴を作ることは不可能に近いのではないでしょうか。

学校や家庭では、足や靴の知識を教わる機会は少ないと思います。まだ日本政府は足と靴と健康の関係を理解していません。日本に生まれ育つ人が、靴を靴として使ったり、道具として使い分けることを知らないまま、靴が足や体の健康を損なう原因のひとつになってしまうことが残値でなりません。

シューフィッターの認定団体が、
「足と靴と健康」協議会であり、そこに縁があった私はとてもラッキーでした。
この幸運を、シューフィッターの私と縁のあったみなさんにお渡しできるよう祈ってやみません。


上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
   永田 聖子
posted by kemix4 at 14:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月05日

玄関にイスを置きましょう

日本は靴を脱ぐ文化と言われ、玄関を見ると諸外国とはずいぶんな違いがあります。 靴を脱ぐのに多くの方が立ったまま靴を脱いでいる。 その足もとを見ると鮮やかというほど、いとも簡単に片足同志で靴を脱いでしまう。 またすばやく靴を履いてしまう。 そのため靴の傷みは踵周りが中心になり、大事な後足部の月型芯が傷んでいるという状態です。  ときには靴先の摩耗を見る。 靴を履くときにつま先をトントンするからである。

そこで『玄関にイスを置きましょう』と啓発したい。 しかしなかなか進んでいないのが実態です。 
下記の写真は福祉会館の玄関です。 このイスは会館の管理者が自前で購入したと伺った。 靴を履くときの危なげなしぐさを見て購入を決意したと言われました。  最近はひものあるウォーキングシューズを履く高齢者が増え、玄関にはどうしてもイスが必要になっている。
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狭い自宅の玄関にもイスがほしい。
一度使ったら手放せないほど楽に着脱ができる。 イスの高さは食卓のイスより低い方が使いやすい・・ひもを締めるとき前に屈むからです。 また壁を背にして置くと安全です。
そしてできるだけ明るくしましょう。 それは黒い靴に黒いひもが多く、暗いところでひもが見えにくいのです。
DSC00074 文化.jpg

ところで玄関になぜイスが必要なのか?
立って履くと危ないから、それは確かにそうですがさらに大事なことがあります。 座ると足の甲周りが細くなるからです。 細い足にひもを締めると立った瞬間にしっかりした履き心地が得られます。 そして力強く歩くことができる。
それから立って靴を履くと、靴内で足が前滑りしやすい。 その結果つま先余裕が少なくなってしまう。 前に滑ったままひもを締めると、歩いた時に締まりが弱い、つまりしっかりした履き心地が感じにくいのです。

これから家を建てるという方は玄関の見直しをしましょう。
手狭な玄関でしたら引き出し式のイスにしてはどうでしょうか。 少し広い玄関であれば、片そで(または両そで)のある小イスを置いたらどうでしょう。 そして靴ベラが手の届くところに設置しましょう。 
それから大事なことですが、照明に気をつかいましょう・・・靴ひもがしっかり見えるよう特別の明るさと、照明の角度に配慮しましょう。  そうすると玄関が楽しくなります。 また訪れたお客様からきっと喜ばれますよ。

靴脱ぎの文化日本、みなさん玄関を改善をしましょう。
シューフィッター 大木金次
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | はきものと社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月10日

高齢者の足と靴「やっぱり靴紐大切です!」

急に寒くなってきました。
お変わりありませんでしょうか。
急に寒くなってきた時に、まず靴下に心配りをしてください。
肩をすくめて寒さを上半身で感じることが多いと思います。
そんな時、足を温かくしてください。

ちょうど、「介護予防教室」での講座があり、お話をしました。
「たかが、靴下」
と思われるかもしれません。

足元を温かくして、運動にも気合を入れてください。
縮まっていると、筋力が衰えます。

「寒い!」

「動こう。運動しよう!」と思わないと、中々できないものですね。

運動しようと意欲満々の方は、「介護予防教室」に出向いてくださいます。
嬉しいことです。
せっかくなので、靴紐締めましょう!
講座の時間内で靴紐を締めると、講師は大忙しになります。
でも、したくなります。
今日だけでも、心地よく歩いて欲しいと思うのです。
お家に帰られたら、解かないと上に上がれません。
「すみませんねぇ」と言いながら、大忙しで、受講者の方の靴紐を締めます。

嬉しい報告をいただきました。
5、6年前に受講してくださった方が、ちょうど、パーキンソン病と分かった頃だったそうです。
「足の健康とノルディック・ウォーク」と言うタイトルを見て、受講してくださり、その後、足と靴に気をつけて、ポールを使って歩いておられるそうです。
毎日、ラジオ体操にも行くとの事でした。

もし、受講していなかったら、歩けなかったかもしれない!

そのなお話をしてくださいました。

人間ドックを受けても、健康診断を受けても足のアドバイスはありません。
自分で足は守ってください。
いつまでも自分の足で歩くために!

靴紐しっかり締めてください。

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シューフィッター 
ノルディック・ウォーク大阪府マイスター
介護福祉士
池川成子








posted by k-burogu at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする