みなさん、こんにちは。
私たちは日頃、衣食住に必要なものや欲しいものを、お店などでお金を支払って手に入れていますが、家庭菜園や、DIYなどで、自分で作って使うこともあります。
靴も、自分で作る人もあるかもしれません。
私はお店で買っています。
私の求めた一足は、どこか遠くの靴工場で作られ、縁あって私の手元にやってきました。私の足なぞ見たこともない人が作っているのに、履いて歩けるのは驚きです。
ところで、足という、とてもパーソナルなものに対して、靴は工業製品です。
人の足は左右対称ではないのに、靴は左右対称になることを目指して作られています。
また、いろんな形の足が入るよう、計測や計算や伝統や経験などを元に工夫を凝らして作られています。
厳密に足長に合わせることはできませんが、たいていの靴は、日本の規格なら0.5刻みでサイズ表示されています。
足のサイズの割合の多い物を中心に、たくさんの靴を、一度にたくさん作り、たくさんの人に買ってもらう、薄利多売のシステムです。
生産コストを下げ、企業努力を重ねに重ねて、私たちに手の届く価格になります。
つまり靴は、誰の足にも合わないように作られているとも言えます。
それが、靴の原罪なのでしょう。
丁寧に足を測って観察し、数ヶ月から半年も1年もかけて木型を作り、1人だけのための靴を作るお店もあります。
そういうお店なら、微調節も、靴の馴染ませ方や使い方もなど、その人の手に渡ってからのメンテナンスもしてくれるのではないでしょうか。
でも、そのような贅沢な靴を日常的に求める事ができる人は限られるでしょう。
しかも、流通や設備などの事情で、ひとつのお店ですべてのデザインやスタイルの靴を作ることは不可能に近いのではないでしょうか。
学校や家庭では、足や靴の知識を教わる機会は少ないと思います。まだ日本政府は足と靴と健康の関係を理解していません。日本に生まれ育つ人が、靴を靴として使ったり、道具として使い分けることを知らないまま、靴が足や体の健康を損なう原因のひとつになってしまうことが残値でなりません。
シューフィッターの認定団体が、
「足と靴と健康」協議会であり、そこに縁があった私はとてもラッキーでした。
この幸運を、シューフィッターの私と縁のあったみなさんにお渡しできるよう祈ってやみません。
上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
永田 聖子