先日東京両国でシューフィッター補習講座が開催され参加してきました。
今回のセミナーは、紀尾井の杜倶楽部ソーシャルスタイルディレクターの菊池亜紀江さんによる「靴選びにも生かせるパーソナルなサービスとは?」という内容でした。
菊池さんは現在パーソナルオーダーサロンを渋谷の東急百貨店本店に開設し、予約制で装いの相談を受け付けています。
人前に出る事が多い方がどのような装いが自分に似合うのかを相談に来られるとの事。もちろんジャケットを中心に提案、販売をしているそうです。
一見靴とは関係がなさそうですが実はパーソナルな相談と言うのはまさにシューフィッターの仕事そのものです。その意味で大変興味深く話を聞くことができました。
菊池さんはやはり初めはマスサービスを勉強されていたそうですが、これからはパーソナルなサービスが重要になるとの事で転換されたそうです。
パーソナルなサービスにはやはりコミュニケーションが一番大事、そしてお客さまの考えている理想をできるだけ早くつかみ、その理想の実現に向けて提案をしていく事が必要、との事でした。
これに関してはまさに僕が今行っているシューフィッターの仕事そのもので、ものすごく共感しました。
僕のところに来ていただけるお客様の中に「足に合えば、快適に履けるならばデザインなんか関係ない。何でも大丈夫!」言われる方が時々いらっしゃいます。その言葉を真に受けて足に合うのみを考えた靴を試着してもらうと「うん、すごく履きやすい!」と言われるのですが、その後必ず「でもこの飾りが嫌い」とか「もう少し薄い色がいいんだけど」と言われるのです。そうです、足に合えばデザインやフォルムは何でもいいなんて本当ではないんです。
ですから今は「足に合えば何でもいい」と言われてもそれは信用せず、お客さまの本当の希望を聞き出そうと努力します。
やはり一人一人必ずなりたい自分の姿があるのです。それに加えて足に合う靴を提案しなくては一流のシューフィッターと言えないのではないか、と思っています。
今回ズバリそれと同じことを話されたのでわが意を得たり!です。ぜひお客様は自分のわがままをシューフィッターにぶつけてください。
その中でシューフィッターは鍛えられていくのだと思います。足に合う靴のみで、希望に寄り添った提案ができないシューフィッターは今後厳しくなるのではないか、と今回のセミナーで強く感じました。
また今回世代別のファッションに関するこだわりも教えていただけました、これは面白かった!
・シニア世代・団塊の世代・バブル世代・団塊ジュニア・デジタルネイティブ(Z世代)と世代を分け、それぞれのこだわりを解説してもらいましたが、まさにその通りと言う内容でした。
全ての世代に共通するのは、10代から20代に経験したことが土台になっていること、カジュアル化は常に提案に入れなくてはならない、と言うことです。
これは今後の仕事に役立てていきたいと思います。
消費者の皆さんはぜひシューフィッターに自分の好みや理想を伝えていってくださいね。
マスター(最上級)シューフィッター&健康ウオーキング指導士 林 美樹