2022年06月01日

悪魔のトリセツ  No.140 家で靴を脱ぐ理由

みなさん、こんにちは。
早いもので、今年も半分が過ぎようとしています。
里山では、田植えが終わり、梅雨を待っているところでしょう。

ところで、日本で西洋式の靴が一般的になったのは、1945年頃以降ではないでしょうか?
それまでは、伝統的な生活様式が主流でしたが、特に市街地では戦争で身の回りの衣服も履き物も失われ、いわば、リセットされた状態のところへ、一気にアメリカを始め、西洋式の文化が入ってきました。
何もかも焼き出されたところへ、豊かな文化が憧れを以て採り入れられました。

一方、再建された家屋は従来のまま、玄関には三和土(たたき)、框(かまち)が造られ、家に帰れば靴を脱ぐ生活様式です。
これは、日本の風土が温暖で湿潤で、生活空間の風通しを良くするため、そして土を恐れているからだと私は考えています。

日本は山や森、林、平野、河川に恵まれ、豊かな土の恩恵に浴し、私たちにとって実り豊かで暮らしやすい環境ですが、微生物など、土の中に住む小さな生き物たちにとっても同様です。
土の中には人間に病気を引き起こす微生物も潜んでいます。
作物を育てる尊い土ですが、同時に病をもたらす恐ろしいものでもあるのです。

日本に暮らす人は、キレイ好きと言われますが、家の中だけでなく車の中でも土足禁止と聞くことがあります。
部屋の中などは、安全でなくてはくつろぐことができませんね。
だから私たちは、家に帰ると靴を脱ぐのではないでしょうか。

上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
   永田 聖子
posted by kemix4 at 19:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月05日

カビの生えた靴 

この季節はカビが生えやすい時期。 
先日スポーツクラブで友人から突然質問されました・・・「カビの生えた革靴はどこに出せばいいのかな?」と。
そこでクリーニング屋さんで受けつけてくれるかも?と返事をしたところ「へえ〜」とビックリしてました。 靴までクリーニングをしてくれる?と半信半疑のようでした。
「ほとんど履いてない革靴で高いものなのでもったいないから」と語ってましたが、なかなか大変なのが靴のカビです。

その大変さは、カビがきれいになったと思ったら再度発生したという話をよく聞くからです。 革の繊維は極めて緻密でカビの除去は難しいと言われています。 そこでクリーニング屋さんに問い合わせたところ、工場に出してみないとわかりませんね。 カビの状態にもよりますのでとのことでした。 

さらに面倒なのはクリーニングをして出来上がった靴のフィット感です。 中には靴のイメージが変わった、ということも起こりがちです。 長年履いていなかった靴でも足を通した瞬間にフィット感の違いに気がつくことがあります。 そう考えるとクリーニング後にフィット感が異なることは当然考えられます。 

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上記の写真はスポーツクラブで質問された靴とは関係ありませんが、靴のカビにはビックリします。 手のつけようがないというほど、カビの多くはこのようなもので、隙間なくいくらでも生えてきます。 履き口は合成皮革のためカビが付いていません。

ところで靴のカビについては身体への影響が大きいことを考える必要があります。 できるだけ風通しの良いところに保管したいものです。 
この時期(梅雨など)は要注意です。 特に小雨に会ったり、汗をかいた後はきっちり乾燥に時間をとってほしいものです。 昔からこの時期は畳を上げ裏表しっかり干したものですが、靴も要注意です。 

今一度保管している靴を点検しましょう。  

先のクリーニング屋さんに、カビを写真に撮って持っていきますので・・カビが付いたままでは受付の方が困りますよね、と電話で話をしたところ、そのクリーニング屋さんは「いえいえそのままお持ちになってください」と丁寧な言葉が返ってきたのには大変驚きました。   
シューフィッター 大木金次 
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | 足と靴の環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月10日

足の変形に合う靴

足の変形は、外反母趾など色んな事情で、困ってる方が多いようです。
リュウマチもその一つです。変形は進む場合も多く、履く靴が無いと言って、お越しになります。
ワイズも広く、紐靴での対応をしていますが、それでも履けないという方から相談を受けました。
足の第2趾と第3趾のところがきつくなる場合です。
夏に向かいますので、サンダルも考えましたが、足首の頼りない靴は上手く歩くことができません。
色々と思案していましたが、その辺りを広げるために縫製しているところをほどいて、縫い直す作業をしました。

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見た目も気づかれないので、喜んでいただけました。
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どのようなトラブルも、できれば美しく、違和感なく、その方の生活に溶け込む靴であるようにと思います。
リュウマチという状況ですが、人に会うと靴自慢をされるそうです。
70代は、まだまだ若いのですね。
いえ、何歳になっても美しく、軽やかに過ごしたいと思います。
自慢のできる靴だと思っていただけるのは光栄です。

色や、デザイン、若々しい靴をお勧めします。
そのためには、履く時に丁寧に時間をかけて履いていただく事になります。
履いてから鏡の前に立った時に、素敵で有りますように!

シューフィッター 池川成子



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