2022年04月01日

悪魔のトリセツ No.138 中途半端の罪

みなさん、こんにちは。
本日は「エイプリルフール」、嘘を楽しむ日ですね。
とは言え、中途半端な嘘は、時には罪なもの。逆に、誰にでもわかるような、笑えるような大袈裟な嘘は楽しいものです。

さて、靴選び、特に靴のスタイルやデザイン選びにおいても、中途半端は罪作りです。

靴のスタイルとは、パンプス、スリップ・オンなどの様式です。
デザインとは、爪先の形や素材などで、装飾上の趣向です。

靴のスタイルやデザインは、それぞれの使い道に合わせて発展してきたので狙いがあります。それに反して無理をして着けるのは怪我のもとです。

おしゃれの為に、狙いと異なったスタイルやデザインを応用するのなら、その特徴を良く理解し、上手にコントロールして、安全に使いましょう。

例えば、「素足とおなじ靴」なんてありません。
靴を着けたらもう、素足ではないからです。

「歩きやすいけれど、着脱が面倒」という靴はよくあります。
素足で外を歩くと足が傷ついてしまうリスクがあります。足を守りつつ動きやすい利点を得る代わりに、着脱のひと手間をかけて、素足のまま外を歩く簡単さを手放すのです。

「着脱が簡単で、歩きやすい」
それは、ある程度は実現できますが、長距離や長期間にわたって使うと、靴による不都合が現れるかもしれません。
特にパンプスは、履き口が大きくて、足の前半分の、柔軟で変化しやすい足先部分に靴を着けるので、着脱は簡単だけど窮屈だったり、脱げやすくなったりします。

靴を体幹に繋ぐのは、靴の後ろ半分と足首周りです。硬い踵を靴の中に滑り込ませるには、靴の入り口を大きくする必要があります。靴と足首周りが離れてしまうので、着脱は簡単です。けれど、体幹に靴が上手く繋がりません。

何かの目的で、靴が必要になった時、先ずはどんな時に、何のために使うのかを考えて、適切なスタイルを選ぶことが大切です。
逆に、素敵なデザインの靴が手に入った時は、その靴に合わせて楽しむものと心得てください。
中途半端に妥協するのは罪作りです。

「靴が足に合わない」というお悩みは溢れていますが、そもそも、左右対称に作る工業製品である靴に、左右非対称な人間の、一人一人違う足が合うはずもありません。
その上、用途の違う使い方をするなら尚更です。
最後に、靴は、少しでも体に馴染みやすいよう工夫が凝らされています。靴を自分が履きやすいように「育てる」努力も惜しまないでください。

ところで、みなさんは、何か楽しい嘘をつきましたか?
普段ならいけないことでも、大っぴらに許されると、かえって戸惑ってしまいますね。
私は今のところ、考え中です。


上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
   永田 聖子
posted by kemix4 at 10:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月05日

足の裏に感謝

少し以前のことで恐縮ですが、「最近眠る前に足の裏をしっかり拭き清めて感謝をしている」と始まる投稿『朝の詩(うた) [産経新聞 2021年12月15日 朝刊 第一面]』を拝見し、読み終えた直後、非常にさわやかな気持になったことを思い起こしました。 朝刊を開き、小生も常日頃は何も感じにくい足の裏に改めて感謝をしたものです。
IMG_2020  2021 12 15 産経新聞 トリミング.jpg

詩の中ごろに「いちばん目立たないがいちばん働いてくれた」とあります。 本当にその通りです。
 
靴を販売していた20年も前のこと、新聞と同じようなことを語ってくれた小柄な体型の高齢の顧客がご来店になりました。 その方は四国八十八ヵ所に挑戦するため「歩きやすい靴をください」と来店し、入念に時間をかけ靴選びをされ、後日四国に向かわれたのです。  そうして数ヵ月も経過したころ、その顧客が再度靴売り場に来店されイスにかけながら早々に小生に合掌されたのです。 顧客は「お陰様で八十八ヵ所をこの靴一足で歩き通すことができました」と感謝を申し出られ、さらに小生の目の前に素足を出しながら「この足にも感謝をしたい」と語られたのです。 

新聞の朝の詩を読んだ直後、瞬時に20数年前の四国八十八ヵ所を歩き通された顧客を想い出したのです。

目立たない足の裏とありましたが、靴を販売していると、足裏に感謝された顧客はかなりの人数になります。 常日頃は、足に関心を示す人は少ない?中、何かの機会にふっと思い起こすのが『足の裏』のようです。  また靴にも同じような思いを感じるようである。 中には磨かれていない自分の靴を前にして「この靴ほど歩きやすいものはない」と語った顧客は数えきれません。 でも不思議なことですが、靴に感謝をしながらも靴を磨くことはまた別のようですね。 

靴を購入するとき、できれば「歩きやすい靴になるように」そのようなことを念じながら靴選びをしてくれると大変うれしい。 いつも身体の最下位にあり毎日踏まれ続け陰になっている足や靴に、一年に一度(靴の記念日など)でも感謝をする気持ちを持って頂けましたらと思っております。

シューフィッター 大木金次 
   
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | 靴と足 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月10日

早めの対応を!

近隣の桜は、散り始めました。
旅行の計画も楽しいのですが、足の痛みのある方は、ちょっと憂鬱な気持ちになります。
足と靴のことは大切な準備の一つです。

靴の購入や足のことで、新しい情報があればすぐに出かけていってみようと思われる方も多いのですが、色んな理由で行きたくない気持ちを持ってる場合も多いのです。
そして、すぐに行動される方もあちこち行って見たけれど、上手くいかずにちょっと疲れてしまうという事があります。
行きたくない気持ちにならないように、工夫をしましょう。
何も症状がない場合も足の隅々まで、見ておきましょう。
痛みが出始めたら、注意です。
また、変形を感じたらさらに注意が必要です。

オーダーインソールを入れて靴を履いていただくことで、足が随分楽になって喜んでいただくことが最近多かったのです。
何度も来店して調整をします。
来店することが難しくて訪問することもあります。
昨日は、お客様に声をかけていただきました。
「この店は、続けてくださいね。お願いしますね。」
嬉しいことです。
「頑張りますよ!」と夫が元気に返事をしていました。

それぞれに足の形が違いますので、必要なインソールの形も違うのです。
初めてのHさんは、迷いに迷って来店されました。
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石膏で固めたものです。
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最近、変形がきつくなったそうです。
IMG_7650.JPG
インソールの作成途中です。

多くの方が、技術を持ってお仕事されていますが、まだまだ、足りない。
足りないのは、技術者も情報もでしょう。
スピード感のある事や物に相反して、ゆっくり進む職の仕事も手作業でないものに変わっていくのかもしれません。
ですが、足の状態や痛みなどの改善は人と人を介して、ゆっくりできるが良いように思ってしまいます。
どちらにしても、痛みなく、元気に歩けますように!
早めの対応をお勧めします。
シューフィッター 池川成子




posted by k-burogu at 04:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする