2022年02月01日

悪魔のトリセツ No.136 靴造りに携わる方々へ感謝

みなさん、こんにちは。
今回は、積み重ねられた叡知の恩恵に想いを馳せたいと思いました。
なんだか壮大な話が始まりそうですが、むしろいつも身に付け、目にする普遍的な、履き物についてのお話です。

こうしてブログを書いている最中にも、世界の職人さんや靴造りを学ぶ学生さんは、日々研鑽し、素材開発に携わる方々は製作や実験を繰り返し、履き物の発達は、たゆまぬ進歩を続けています。

おそらく西洋で発明された近代的な「靴」の、最も優れた部分は、「カウンター」ではないかと思います。これは、体幹から足首を経て、靴の裏に身体の意思を伝えるための、大切な働きをしています。靴にこの部分がなかったら、私たちは日常生活で上手く歩けず、活動範囲も限られたものになってしまうかもしれません。
素晴らしい仕組みだと思います。

現代では誰もが履いている靴ですが、こんなに普及したのは、大量生産できるようになってからではないでしょうか。
一人一人、みなそれぞれ違う足に、ある程度は合うよう、木型や素材や製法を研究し開発してきた人々に感謝と敬意を表したいと思います。

上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
   永田 聖子
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2022年02月05日

靴選びはシューフィッターとの共同作業

靴選びはシューフィッターとの共同作業であると常々感じております。
共同作業、その理由は購入する人もシューフィッターも、足のサイズだけではなく靴のサイズを知る必要があるからです。 さらにサイズだけにとどまらず足の状態や骨格のバランス、健康状態までも知った上で靴選びをする必要があります。

靴選びの現場を振り返ってみると、ほとんどの方が一人でデザインを選んでいるようです。 どこに履いて行くのか、それだけでは不十分です。 さらに靴の特徴も知ることが大事なことです。
足は丈夫、靴によるトラブルもなかったという人でも、年齢と共に足や体は変化していきます。 軽い靴がほしい、ショックの少ない靴がほしい、幅広がほしいなどの要望は体力の変化を表しています。

靴には目に見えない情報が隠れています。 その情報とはサイズや機能です。
足のサイズに靴が合っているのか? 足が曲がる位置に靴が合っているのか? 土踏まずの低下しやすい人に中底でカバーできるのか?など上げたらキリがないほどです。
重要 フィッテング  踏まず長.jpg

一例をあげると写真のような踏まず長のサイズです。
例えば、踏まず長の長さに靴を合わせることが重要です。 曲がる位置は第一趾・第五趾の付け根、ボール部のところです。 この位置に靴が合うことです。 ところが靴にはこの位置のサイズは記載されていません。 そのためにシューフィッターは足を入念に計測し、そしてそれまでの経験を活かし靴を提案しています。 
この位置が合わなければどうなるでしょう? 歩くごとに足が前後に動くことになります。 これでは短時間で疲れが生じ、しかも摩擦ダコができる可能性があります。

さらに重要なつま先余裕についてもサイズの表示がありません。 日常履く一般的な靴では靴のサイズは足の長さを表示しておりますが、つま先余裕の長さは記されていません。 
サイズが記載されていないところを2ケ所上げましたが、靴のトウ(つま先)の幅や高さ、甲の高さなどたくさんあります。 こうしてみると一人で靴を選ぶことは大変むずかしいことです。 
以上のようなことから、靴選びはシューフィッターとの共同作業になることが理解いただけるのではないでしょうか。

シューフィッターは知識だけでは靴は売れません。 靴を知るには、様々な方に履いて頂き靴を知るというキャリアが欠かせません。 さらに顧客の健康に配慮するという思いやりも必要です。
足のサイズは多義にわたりますが、靴のサイズにも同じものがないといってもいい。 ちょっと大げさですが、顧客の悩みなどを考慮すると靴選びは天文学のように難しいものになります。 
足の計測は情報を頂く始まりです。 靴を選ぶ前にシューフィッターに足を計測願い、自分の足を知っていただきましょう。

シューフィッター 大木金次
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2022年02月10日

働く人の靴の工夫

今日は高齢者の足と靴のお話ではなく、作業靴を履かれる、Sさんのお話しです。
お仕事で、安全靴を履かれます。
安全靴は、先が硬いです。
見た目は、普通のスニーカータイプです。
安全靴を触ったりする機会は、少ないと思います。
お仕事で履く機会のある方か、販売しているお店の方はよくご存知ですね。

Sさんは歩行時、足先で歩かれます。(通常の歩行ができません)
踵は減りませんが、靴の先が減ってきます。
消耗は激しく、修理も必要になります。
IMG_6329.JPG

安全靴の硬い部分が痛いために、大きめの靴を買って、先であまらせて履きます。
甲のベルトで留めて履くことになります。
この方法が一番、楽に過ごせる方法だったのです。
通常靴にはE、2E、3Eなどの幅の表示があり、自分の足幅に合わせて選ぶこともできます。
ですが、安全靴の種類は多くはないので、丁度の靴を探すのは難しいのです。
前足部を使って歩くSさんは体重が掛かった時、足幅はかなり広くなってしまいます。
色々な靴を探して、試して、ご自身で工夫もされました。

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この安全靴は、先を余らせていますので、ベルトで留めて履くことになります。
2.5cmほど大きめの靴を購入されています。
ベルトはすぐに潰れてしまうのです。2週間ほどで使えなくなってしまうそうです。
そこで、先に丈夫なベルトに付け替えをして履くことになります。(ベルトの付け替えの際は、持って来られます)
その方法を見つけるまでにも1年ほど掛かっていました。

お仕事以外の時は、足に合った靴を履くことができます。(フィンコンフォートを履いています)
調整のできる靴を履かれているのです。
でも、安全靴では合う靴を見つけることができなかったのです。
安全靴にワイズの種類がもう少しあればと思います。

足に合う靴を探している人は、どんな人でしょう?
会社に行く時に履くビジネスシューズや、休日に履く靴。
趣味の時間に履く靴は、登山やテニス、ジョギングなどの靴。
働く人の靴は、さまざまです。
農作業の靴、調理人の方の靴、お蕎麦屋さんの靴、とても大切な靴ですが、種類は少ないのです。
足が濡れないようにする靴、足を守るための靴、土の地面や泥の中でも捌ける靴など、少数の需要の靴は多くの種類を作ることが難しいですね。
人生が長くなった今、お仕事を辞めた後も快適に過ごせるように、歩けるように履いている靴の工夫は必要です。
そして、そのお手伝いのために、履かれる方へのアドバイスはとても必要なのかもしれません。

この時期、外には出ないという方も多いようですが、足に合った靴を履いて、身体が温まるようにお散歩して欲しいと願っています。

シューフッター 池川成子












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