2021年08月05日

足を満たす 

「足を満たす」という少々むずかしい課題について考えてみました。

ずいぶん以前ですが、靴の売り場で「満足できないのは靴だけ」と語った老紳士がいた。
その方は今で言う後期高齢者に入る方で背筋が伸び矍鑠(かくしゃく)としていた。 靴選びをしている途中「こんなに靴があるのにどうして合う靴が少ないのか?」と、そして次のようなことも・・・・「毎日の食事はおいしいし、大きな病気もない。 孫も元気で家内もいろいろやってくれ、何の不自由もない。 しかし70数年も靴を履いているのに、いい靴に出会ったことがない」と振り返っていた。

そのような疑問を訴える顧客に対して、小生は今もって満足いただけるほどの返答ができないでいます。 靴が合いにくい時は、フルオーダーの靴を考えるが、現実はそう簡単なことではありません。  

かつて左右のあるものを商品化することはたやすいことではない、と語った経営者がいたという。 足は感覚器官と言われわずかなことにも強く反応する。 しかも左右があり、そこに左右差が生じればさらに神経を費やすことになる。 
靴のサイズ表をみると、足長と足囲でみても210種類(男性)もあり、在庫負担の厳しさについても経営者は熟慮していたのでしょう。

改めて足を満たすことを考えてみると、少なくとも家庭内では素足の生活になっていく。 ゆびが開いていると実に気分爽快です。 日本は足を満たす上でとてもすばらしい住まいがありこれ以上の生活はないでしょう。 ただ最近は家の中でもソックスを使用している人がいるようです。

ところで、今回のオリンピックで清々しい足を拝見しました。 
IMG_1921 大橋悠依 バタフライ 東京オリンピック 健康 産経新聞  2.jpg

写真は、女子200メートル個人メドレー決勝でバタフライを泳ぐ金メダリストの大橋悠依選手の足の姿(足の甲)です〖産経新聞(2021年 7月 29日)朝刊から〗 ゆびの開きをご覧頂きたいため足中心の写真になり恐縮です。 
水の中でも柔軟に開いたすばらしい足ゆび、水鳥のようにゆびに水かきが付いているようです。 水泳は腕で泳ぐと言う方がいますが、写真を見る限り足(足ゆび)の働きも相当なものと思いたいところです。 大げさなようですが、これこそ『足が満たされている瞬間』ではないでしょうか。
足と手は似たような動きをしているようですが、水泳選手の足ゆびがこんなに開き、世界の舞台での活躍に圧巻です。 

思い返してみると靴生活の中で、足のゆびが開くことをいつのまにか忘れてしまっていたようです。  
靴履きが常用になり、靴内では足は常に小さく、おとなしくなり、足が満たされることは少なくなったと言ってもいい。 それでも靴から逃れることはできないのです。 最初に取り上げた老紳士の話を忘れることはできません。

シューフィッター 大木金次
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2021年08月09日

自分の足で歩く決意

酷暑の中、オリンピックが閉会しました。
アスリートの方からの感動は本当に大きかったと思います。
また、時代の流れを感じました。
若い方々の活躍、今後の方向性のコメントを聞いていると驚くことが多かったですね。
「楽しむ」という言葉も耳にしました。
笑顔も多く、試合以外の場での満面の笑みにも驚きました。
大きなプレッシャーの中での試合を楽しめるという姿に心を打たれました。
日々の辛い練習に耐え抜いた心身の余裕を感じます。
素晴らしいオリンピックではありますが、残念ながら、感染者は増えています。
注意して過ごしていただきたいと思います。

さて、オリンピック開会式、聖火リレーの際のことです。
長嶋茂雄さん、王貞治さん、松井秀喜さんの3名の登場に感動いたしました。
長嶋茂雄さんの靴は以前から注意してみています。
あまり見られたことがない方は一度、見てください。
見ると言っても、実際に見ることは、できません。
写真で見るか、テレビなどで見るのですが、ご覧ください。
3本のベルトが付いています。
野球のスパイク、練習用の靴にも同じようなスタイルのものがあります。
長嶋さんの靴は、ベルトの向きも工夫されています。
聖火リレーの時は、白い靴。
茶色、オレンジも同じスタイルで履かれているようです。
装具も見えますが、毅然とした様子はさすがです。
サポートするところは、しっかりと、締め付けない方が良いところは、柔らかくなっているように見えます。
重さは、どれぐらいでしょう?


何らかの状況で、通常の靴ではなく、お医者様のアドバイスを受けながら靴選びをしなければいけない時に、
見習いたい、憧れの長嶋茂雄さんだと思っています。
真似ることができるかもしれません。
決して、諦めずに、リハビリをして、聖火リレーに登場された姿が、本当に素晴らしい。
足は身体を支え、靴は足を包み込んでいます。
どれほどに、靴が大切かを知る良い機会です。

残念ながら、写真はありませんが、足と靴のことに興味を持って頂いて、自分の足で歩く決意をして欲しいと願っています。

シューフィッター 池川成子






posted by k-burogu at 23:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月15日

アレグレットのテンポで歩こう

みなさん、こんにちは。
今回は、音楽のお話から始めましょう。

テンポよく歩くのは、気分の良いものです。
例えば行進曲のテンポは、1分間に4分音符が120個ある速さ、「BPM(Beats Per Minutes)120」くらいだそうです。

そう言えば、横断歩道の、青信号を知らせる3拍子のカッコウの鳴き声のような音も、それくらいのような気がします。
それは、楽譜に付けてある速度標語で「allegretto(アレグレット)」に相当するでしょうか。
イタリア語で「アレグロ」とは「陽気に」という意味で、アレグレットとは、アレグロよりはゆっくりしたテンポだそうです。

さて、速度標語には、ずばり、「andante(歩くような速さで)」というのがあります。
これはアレグレットの半分くらいのBPMに相当するようです。
ちょうど、盆踊りでも有名な、「炭鉱節」にあわせて手拍子するような速さです。
ずいぶん遅く感じますが、教会や宮廷で発達した西洋音楽では、歩くことをとても優雅に感じていたのかもしれません。

楽譜には、メトロノーム記号と言う、演奏するテンポを数字で表示したものが付いていることもありますが、厳格に指示するのを避けて、速度標語という、言葉で指示をした曲もあるそうです。
私たちも日々、体調が変わります。それに合わせて、軽快に感じるテンポも違うはずですよね。

アレグロほど急がず、グイッと後ろの足に力を込めて地面を蹴り出す時間が持てる「アレグレット」を心がけたいと思います。

ところで「シューフィッターが語る足と靴」ブログ、
毎月15日は、「身体からの叡知なる囁きに耳を傾ける」ことをテーマに語ってきましたが、
今回から歩くことにも意識を向けてみようと思います。
これからも、よろしくお願い申し上げます。

参考ページ:

上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ ・ヨガインストラクター
   永田 聖子

posted by kemix4 at 00:00| Comment(3) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする