2021年06月05日

体幹を鍛えている動物はいない

先日シューフィッターを対象とした補習講座が開催されました。
テーマは、「シューフィッターが知っておくべき足ゆび機能の知識」です。 
講師は橋間 誠 先生(日本整形外科学会スポーツ医 医学博士)です。
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2億年かけて「ゆび」は体幹の安定のスイッチに進化している。 地面についているのは「ゆび」だけ、手首もかかとも地面から浮いているのが動物、 動物は常にゆびを使うため「体幹を鍛えている動物はいない」とお話頂きました。
この頃はつま先(足ゆび)が余り使われず体幹がゆるんでいる人が多いと先生は指摘されています。 
そのような現象の一つが「浮きゆび」で、多くの方に見られるようになってきました。 

浮きゆびになると、当然なことですが力が入りにくく、その結果良い姿勢を保つことがむずかしい。 しっかり歩行をすることも大変、そして上に記しましたが体幹に影響が出てきます。 
人は踵が地面につき二足歩行をすることで、手が器用になり、大きな脳に進化したと言われています。 しかし靴という履き物を履いたことで足ゆびの動きが制限されやすくなっています。

先生から、手指でテーブルを押すと体幹に力を入ることがわかりますと促されました。 確かに体幹がしっかりします。 足の第一趾と第二趾に力を入れると前に倒れない、それは内ももの筋肉に力が入るから。  第四趾と第五趾に力を入れると後ろに倒れない、お尻の筋肉に力が入るから。
ゆびで立っているから体幹が鍛えられ、上半身がしっかりするのですとご教示いただきました。

靴選びのポイントは何といっても「つま先余裕」です。 土踏まずや踵周りも大事ですが、しっかり歩くためにはつま先に力が入ることです。
なぜ靴に「つま先余裕」が必要なのか? このような身近な疑問に改めて気づきを得ることができました。 

体幹の重要性は動物も人も同じです。 人は二足で立ちあがった以上、とりわけ体幹の維持について常に考えておく必要があります。
高齢になると円背の姿勢が目につきますが、最近は子どもの姿勢についても指摘されるようになってきました。 「足に靴を合わせる」という靴選びのフィッテングはとても重要なことです。 

シューフィッター 大木金次 

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