2020年06月01日

悪魔のトリセツ No.116 デコルテ

 みなさん、こんにちは。 
 毎月1日の「悪魔のトリセツ」は、パンプスのお話をアップしています。

 まず、『悪魔のトリセツNo.114  『パンプスに「楽チン」を求めないで』に、コメントをいただき、ありがとうございました。 
 理系目線で、パンプスの驚きの構造について取り上げている漫画を教えて下さいましたので、そのアドレスをここに紹介させていただきます。 


 パンプスは履き口が大きく開いているので、これで歩けるような仕組みを作ってあるのは本当に驚異的です。 
 後ろ半分、特に土踏まず部分の幅が広すぎたり、踵の芯が柔らかすぎて広がってしまうと、スリッパのように、踵がパカパカになって歩けなくなります。 

 そこで今回は、パンプスの履き口が、大きく開けてある意味を考えたいと思います。 
 
 まず何と言っても、パンプスは、足の肌をギリギリまで見せるための、セクシーな履き物です。 
 ところで、日本と西洋では、ライフスタイルしかり、人体の「恥ずかしい」と感じる部分も、少し違うようです。 
 西洋では、背中や肩、胸の谷間も含めて、首筋から胸回りの襟ぐりを大きく開けて、その美しさを誇らしく強調した「ローブ・デコルテ」という、ロングドレスを着ける事があります。 
 それで、「デコルテ」は、女性の胸回りエリアを表す言葉にもなっています。 
 日本でも最近は抵抗感が薄れて来つつありますが、西洋では年齢に関係なく、エルダー世代も、胸元を大胆に開けたデコルテラインのお洒落を楽しんでいるそうです。 

 さて、ローブ・デコルテは、胸元を大胆に開けているのに、ドレスの裾は長く、足元を隠しています。 
 足は隠すべき、恥じらいの部分で、特に爪先は隠します。 
 踵は見せても、足のゆびは特に見せられない部分です。
 セクシー過ぎるのだそうです。 
 だから、結婚式などの、神様の前での装いは、足のゆびを隠すよう、靴のデザインに気を付けなくてはなりません。 

 パンプスは、足のゆびを隠す代わりに、足の甲を美しく見せ、トゥライン(爪先の形)で、ゆび先の形を連想させるのでしょう。 
 
 だから、パーティーなどの短時間、特別なシーンに着ける靴で、時には履き心地や歩きやすさより、デザインが優先されます。 


  もうひとつの理由に考えられるのは、着脱のしやすさです。 
 これこそ、日本のライフスタイルにぴったりてす。 
 西洋と違って、家では靴を脱ぎ、ちょっと裏庭などに出るだけにも履き物が必要です。
 そんな時は、簡単に着脱できるスリッパやサンダルのようなデザインの「庭履き」が愛用されてきました。 

 日本の男性の多くは、長時間でも歩きやすいよう紐靴を着けていましたが、女性は一般的に、家庭や家族のマネジメントを任され、家で過ごす事が多く、脱ぎ履きが頻繁でした。 
 戦後しばらく、多くの日本女性には、パンプスなら庭履きのように簡単に着脱でき、しかもお洒落や女性らしさと両立できて、便利だったのでしょう。 
  昭和の後半から、多くの女性が男性同様、外へ出て働くようになりました。 
 仕事の内容も、男性と変わらなくなりました。 
 男性のように、紐靴を着ければ活動しやすい筈ですが、家庭のマネジメントは今でも女性に任されているのが現状のようです。 
 出勤前後も、息つく間もなくハウスキーピングをするので、やっぱりパンプスが便利、ということになるのでしょう。 


 最後になりましたが、「デコルテ」という言葉は、パンプスを指す言葉でもあるそうです。 
 
 やはりパンプスとは、靴の甲ぐりを大きく開けて、足元を美しく誇らしく強調する履き物なのですね。 

  上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ                                   永田聖子
posted by kemix4 at 13:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月05日

フィット感をつかむ一本の靴べら 

靴には靴べらという道具がついてまわります。 
なぜ靴べらが必要なのでしょう? それには靴を履くときの足の動きに注目する必要があります。 立ったまま靴を履くとき、つま先は下を向けます。 同時に第一趾(おやゆび)が上に、小ゆび側が下を向きます。 そして踵は靴の腰周りから内側からはみ出ている。 それ以上足を入れることはむずかしい。  ここに、はみ出ている踵を入れやすくするために靴べらが登場するわけです。

最近の靴売り場では顧客が座っていただいたままで、販売員のほうが靴を履かせる店が増えてきました。  顧客は座ったまま上記のような足の動きをすることは意外に大変です。 そうすると販売員はスマートに靴を履いてあげる技術を身につけることが必要です。
DSC00160 道具 最高の感触.jpg

それでは靴を履いていただくときの靴べらの動きを記します。 
最初に顧客は座ったまま、靴を脱がせてあげマットの上でスタンバイをしていただきます。 まず販売員の位置ですが、顧客が座った位置のやや左足側に片膝をつきます。 
販売員は左手で靴の履き口(ベロの部分)を持つ。
次に靴をやや外返し(靴のこゆび側を上に向ける)をする。 そのとき靴の姿勢はトウが上を向きヒールはやや下がっている。
そして「足を入れて頂けますか」と誘導します。
そうするとつま先が入り、足の踵は靴の腰周りから内側にはみ出るように。 その瞬間、踵がはみ出る直前に靴べらを入れ足を滑り込ませるのです。 このとき最初に記した「やや左足側に片膝をつく」と左踵の内側まで手元が回りやすくなるのです。

ひも締めは、基本通りで両手で靴の腰周りを持ってトントンしてヒールを床につけたまま結びます。

右足の履き方も同じことです。 最初と同じ位置(左足側に片膝をつく)で靴べらを使います。 踵が靴の内側に出、右手の靴べらは左足より使いやすい。
靴べらを左で持つ人は、やや右足側に片膝をつくと靴べらが入りやすい。

何度も履かせてあげていると、靴べらを踵が滑り込む音やなめらかさでフィットしてかどうかが手の平で感じるようになっていきます。 その音はエアーの抜けるような快音で、スポッというような音がします。 踵が入った直後「よく合ってますね」と申し上げると、顧客は「どうしてわかるのですか?」とよく言われます。 顧客が感じる前にフィット感がわかる。 これはシューフィッターならではの快感です。

靴を脱ぐときも販売員が脱がせます。 顧客のアキレス腱部分を左手でつかみ、右手で靴の腰周りを持って外側(こゆび側)に脱がせると軽い力で済みます。 
右足は全く反対の手つきになります。

上記のような手つきをとると、顧客は足をあまり動かさずに靴を履いてしまう、顧客はいつの間にか靴を履いてしまったと感じながら、時にはびっくりする方がおります。 
このような履かせ方はホスピタリティーに通じます。 しかも靴のフィット感は、顧客が感じる前に販売員のほうが手の平で知ることができます。 
私は右手だけでに靴べらを持って左右の靴を履かせています。 その理由は靴べらから伝わるフィット感が右手が敏感で、左手は少し鈍感だからです。 フィッテングの終了後は顧客の靴を履かせてあげる、この時の手つきも上記の通りに行います。

今回は靴販売員側からみた靴べらの使い方を記しましたが、自宅でも高齢者に、また施設で介護に携わっておられる方にもお勧め致します。 幼児の靴も上記のように行ってみていただきたい。 
靴を履くときの足は実に微妙な動きをしております。正に全身で靴を着脱しているようにみえます。 

足首(足関節)が硬ければ靴のほうを傾けることで靴が容易に履ける、ぜひ実践を願いたいものです。

シューフィッター 大木金次


 
posted by シューフィッター at 01:00| Comment(0) | 靴と足 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月10日

高齢者の足と靴 自粛中の生活

思いも寄らない新型コロナウィルスの感染予防のための「緊急事態宣言」を受け、家にいる時間が増えました。
栄養・休息・運動をバランスよく気遣いながら、過ごされていましたでしょうか。
解除になり、ほっとした気持ちもありますが、第二波のことも気がかりですね。

いつもは、ノルディック・ウォーキングをしています。
久しぶりに金剛山に登ってみました。
1125mの登りやすい山です。
大阪緑の100選に選ばれています。
若い方も登っていますが、高齢者の方が多いです。
100回、200回、1000回以上登っている方もおられます。
少しづつ続けていると、軽やかに登ることができるのでしょう。
私は、ふーふー言いながらやっと登りました。
一回めはの後は、体中が筋肉痛でした。
マッサージや、ストレッチで、体を和らげ、2回目に挑戦。
痛みなく登れました。
4回目まで、登り気持ち良い達成感を味わいました。
しっかりと歩ける理由の一つに靴のことがあります。
足に合った靴で登りから、しっかり歩けます。
この靴があるからだと、靴に感謝してしまいます。
険しいところがありませんので、自分のウォーキング時の靴です。

階段が続きますが、2種類の段差のところはどちらを登るか迷います。
最初は、段差の少ない方を選んで登ります。
足が段々と上がるようになってきますので、段差の高い方を登っても平気になってきます。
そういう変化は嬉しくなります。

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足の疲れは、帰ってからでてきます。
筋肉痛や、膝の辺りの痛みは、辛いのですが、それも段々、和らいできます。
階段が続きますので、階段の端に土踏まず辺りを当てて、歩いてみると、足裏を刺激して、楽に歩けます。

IMG_8912.jpg

シューフィッター 池川成子 

posted by k-burogu at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする