2019年11月01日

悪魔のトリセツNo.109 足囲の妙、足幅の妙

 みなさん、こんにちは。 毎月1日は、「悪魔のトリセツ」の日です。
 人を幸せにする履き物であるパンプス、とりわけハイヒールは、時に「悪魔」と呼ばれます。 
 しかし、本質を理解し、上手に扱えば、人々を幸せにする「天使」です。
 悪魔から天使に変える「取り扱い説明書」、それがこの「悪魔のトリセツ」です。 

 さて、先日は、林美樹シューフィッターのブログ「ブランノックデバイス 計測器から見る日本とアメリカの計測の違い」を私も拝読しました。
 とても勉強になります。

↓こちらがそのリンクアドレスです。↓ 
 みなさんは、足のサイズを計ってもらったことはありますか? 
 日本の靴のサイズの表記は、靴のサイズではなく、靴の中に入る足のサイズの目安が書いてあります。
 それは、日本産業規格=JIS規格に基づいています。 
「足と靴と健康協議会」のwebページに、それについて書いてあります。 

↓こちらをご覧ください↓ http://fha.gr.jp/ashi/size 

↓もう少し詳しくはこちらのサイトにあります↓ 

 靴を作る時には、その人の足の、いろんな場所を測って木型をつくり、それに合わせて靴を造ります。
 様々な形や大きさに変化する生きた足の形を、木などに写して、それに底やアッパーを張り合わせる為の型にするのです。 
 木型を作る前に、足の計測をしますが、その時には足の甲と趾のジョイント部の、甲の骨の先の一番出っ張っているところを「ボール部」と呼び、そこも測ります。
 その値を「ボールガース」と呼びます。 

 話は戻りますが、足の、縦の長さ「足長」とボールガースである「足囲」の対比を元に、AからFまで名前を付けてあります。
 それを、「ウィズ(width)」と呼びますが、英語では「幅」の事です。
  日本では、ボール部の横幅のことを「足幅(そくふく)」と呼びます。 
 ややこしいけれど、
「足幅」と「足囲」は、別物です。 


 ボール部の幅が細くて甲が高い靴も、
 ボール部の幅が広くて甲が薄い靴も、 
 足囲表示は同じになります。


 ところで、人の足は、いつも変化しています。 
 例えば、立っているときと、座っているとき、足を上げているとき、片足で立っているとき、全て足の大きさは変わります。
 足の底だけでなく、土踏まずやくるぶしの高さも変わります。
  最も変化するのは、足の趾と、ボール部です。
  趾は、地面をつかんだり蹴ったり、身体を下支えしたりなど、様々な動きをするために開いたり閉じたりする、動き回る部位です。 
 その付け根から、踵の方に向かって束ねられている足の甲部は、サスペンションの働きもこなしているので、落ちてくる身体を安全に受け止めるよう、開いてつぶれたり、浮いてつぼまったりを繰り返しています。
 最近よく耳にする、「横アーチ」の働きのひとつです。 
 その上、身体を前進させるために、足はあおり運動をします。歩みを止めて足を下ろしても、慣性の法則に従って、靴の中ですぐに止まり切れず、少し前に動いてしまいます。
 歩く時の足は、上下だけでなく、とても複雑な動きをするのです。 

 靴においては、爪先はそのファッションの方向性を決める部分を兼ねています。
 靴の爪先は、「靴の顔」とも言えます。 
 だから、たいていの靴の爪先は先端部に向かって形を整え、つぼませています。
  硬い芯の中で、趾先は、前方の障害物から守られつつも、動きを制限されているのです。 
 
 一方、靴のボール部は芯を省いてあり、足のボール部がつぶれて開くとき、一緒に横に伸び、足が浮いてボール部がつぼまると、革の弾力で戻るようになっています。 
 つまり、靴は、足の甲がつぼんでいる時に足が前に逃げないよう、ボールガースより小さく造り、足が体重を受けてつぶれて横に広がる時には靴も少し横に伸びるように作られています。 
 だから、フィッティングには、靴と足の幅を合わせることが、とても大切な考え方です。  幅が広過ぎると、靴の中で足が左右にもぶれてしまうからです。 
 それは、靴の歴史の長い西洋の、絶妙な考え方だと思います。

 それでも、個人差や左右差のばらつきが大きすぎる足に、既製品を合わせるのは至難の技です。 
 
 それから、足と靴を合わせなくてはならないのが、足の後ろ半分と、かかとです。 
 そこが合っていると、体幹から繋がっている脚と靴を、踵を通して繋ぎ合えるので、靴の操作性が上がります。 
 ボール部の幅ではなく、ボールガースで考えることで、その足の後ろ半分が大きいか小さいか予想することができます。 
 
 日本の既製品の靴合わせでは、「足囲」で足の後ろ半分を「察する」のです。 

 これまた、絶妙だと思います。 

 靴を着けた時には足に合ったように見えても、歩き出すと合わない事が多いので、表示するデータは必要最低限の方が、却って選びやすいように思います。 
 靴には足長が表示してあり、中には足囲も表示してあるものがありますが、
 足幅を表示してあるものは、売り場に並ぶ既製品には見かけることは極めて少ないようです。 
 靴の爪先は、デザインを表現する部分でもあり、表示基準はありません。 
 それを意識しておかなくてはなりません。 
 パンプスの美しく小さくまとめられた爪先は、足囲表示が大きくても、広くてらくちん、というわけではありません。
 ボールガース部分を「ウィズ」と呼ぶことで、靴屋さんさえも、混乱しがちなのです。 


 今回は、なかなかの長文になってしまいましたが、ここで最後に、「悪魔の取説」をひとつお伝えしましょう。


  爪先が小さくて美しいデザインは、足の爪先を、そのようにメイクアップするためのコルセットです。 足囲表示が大きい事と、靴の爪先が大きいこととは、別のことなのです。 
 足長と足囲を知り、それを基準に靴を探しましょう。
 試着して、必ず歩いてみましょう。 


  上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ      永田聖子
posted by kemix4 at 13:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月05日

玄関で靴ひもを締めない人があまりにも多い

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「靴と健康」というテーマで講演を始めた直後、「今日 玄関で靴ひもを締めてきた人は?」と、挙手を願うとわずかに12名でした。
この話は先月のことで出席者は105名の中の話です。 挙手のあと、それでは「今、ひもの靴を履いている人は?」と伺うと何と55名もおりました。 参加者は50歳以上と思われるが、ひものついた靴の着用者が多い。
ただ靴ひもの機能が生かされず飾りになっている人がまだまだ多いのが現実です。 それでも、ひも付きのウォーキングタイプが歩きやすいという認識が定着しつつあるようですが、もう一歩靴ひもの効果が知れ渡っていないのが実際です。
図1.jpg 骨格へ テーピング .jpg

そこで足の骨格を示し、中足骨(ちゅうそっこつ)の説明と共に、その部分へのひも締めの効果について説明しました。 そして全員の方々に座ったまま片足だけ中足骨部にテープを巻きつま先立ちをしていただいたところ、力が入るのはテープを巻いた足であることに気が付いていただけたようです。
そこで座ったまま靴を履き、靴の踵部をトントンして、つま先を上げたまま靴ひもを前のほうからきっちり、特に中足骨部を締めることをお願いしました。 その後立っていただいたところ、大勢の方が改めてびっくりして会場は騒然となり、お互いに顔を合わせ感激される時間が続きました。
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以上のような実践は、新聞紙を敷きセロテープの用意などを含め相当時間を要します。 
靴ひもを締めるという単純なこと、話始めは小学生レベルの話かと思われていたようでしたが、骨格の話や足の軽さなど感覚の違いに気が付いていただくと、その重要さを理解いただけたようでした。
講演の副題は「足骨格に合わせる靴選び」と題して話をしましたが、毎回靴ひもを締めることを習慣にしてほしいものです。
付け加えて、ひもを締める面倒さを解消するために「玄関にはイスを置きましょう」と啓発をしています。
シューフィッター 大木金次
posted by シューフィッター at 00:00| Comment(0) | フィッティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月10日

高齢者の足と靴 ”まだまだ伸びる健康寿命”

11月立冬を迎え、寒さ対策も始まります。
風邪予防のために、予防注射やうがい手洗い等、抜かりないようにしたいものです。

2012年私は介護福祉士の資格を取得しました。
仕事や家庭と勉強は中々大変でした。
その勉強をしている時に一番驚いたのは、「健康寿命」の事です。
私が住む大阪府の成績が悪い事に驚いたのです。
超高齢社会に突入した日本は短い期間に多くのことを知り、対策を取らなければいけない状況である事を知りました。
何かの決まりの中での工夫や、心配り、忍耐強い国民性ではありますが、新しいことへの想像力や挑戦する勇気は今一つの感じを受けます。
自身の経験から「生涯自分の足で歩く」ことをお伝えしようと思い靴のアドバイスをします。
人生100年の長い人生を考えると、現在履く靴、今履く靴のことだけを考えるだけではなく、予防の為の靴や運動も必要だと思い始めました。

秋は、2本のポールを使ったノルディック・ウォークの講座が多く忙しい日々が続きます。
できる限り、足のお話をします。
時間の許す限り、測定をし、靴の履き方、歩き方をお伝えします。
今までにない感触を、足裏で感じ、背筋を伸ばして歩かれます。
継続が大切ですが、まず知ることが、感じることが大切ですね。

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歩幅が狭い方、通常より狭い方が病気に気づくきっかけになる時もあります。
歩けることで、外に出る機会が増え、お知り合いも増え、楽しみも増えるようです。

足・靴・歩行・・・だけではありませんね。
まだまだ、健康寿命を延ばす方法が、あるようです。
秋を楽しみながら、健康寿命について考えましょう。


上級シューフィッター 介護福祉士  池川成子






posted by k-burogu at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする