皆さん、こんにちは。
新しい年号「令和」を迎え、最初のブログをアップさせていただき、嬉しく思います。
これからも、よろしくお願い申し上げます。
では、本題に入りましょう。
「何を、いつ、どこで、誰が、なぜ、どのように」は、靴選びに於いても重要です
なぜなら、靴も、道具だからです。
靴の用途は、歩くためだけだと思われがちですが、それだけではありません。
靴の国では、屋内でくつろぐための靴があります。
例えば、寝室で着ける「ミュール」、居間で着ける「スリッポン(Slip On)」などです。
スリップ・オンの一種、「ローファー」は、一説では怠け者(手抜きする)「loafer 」が語源と言われることがあります。
結ぶべき紐が省かれて、着脱簡単ですね。
余談ですが、英語では対になっているものを、律儀に数えます。
靴は左右2つ一組なので「shoes 」と複数で表現するそうで、一つと言わず、複数で言うのです。
「loafer 」と言うと、「仕事をしない怠け者」の方の意味になるそうなので、靴のローファーは、「loafers 」だそうです。
さて、日本では、近年急速に靴が普及しました。
室内で履き物を脱いで過ごす生活様式には、着脱簡単な履き物は歓迎され、特に、お洒落で着脱しやすいパンプスが、ハウスキーピングに勤しむ女性に瞬く間に普及しました。
社会に出て働くのではなく、家庭のマネジメントを任された「奥さま」の、絶好の相棒となったようです。
それに対して、社会に出て、家庭に稼ぎをもたらす男性は、紐靴を着けてしっかり働きました。
そう言えば、近頃ファッションの最先端に躍り出た「ダッド・スニーカー」の「ダッド」は、daddy =お父さんの事だそうです。
日頃、キリリと紐を締めた靴で頑張るお父さんも、休日はゆるゆるの楽々シューズで寛ぐのでしょう。
履き口はクルリと繋がっていて、紐は付いていますが、締めなくても脱げないで歩くことができる、一種のスリッポンとして使うことができます。
ところで、紐靴はとても便利です。
足の甲の部分で身体を靴底に留めるスタイルなので、足の趾を動かせます。
パンプスで痛め勝ちな足の趾(ゆび)のダメージを回復するのに使えます。
もうひとつ便利なのは、紐を緩めたまま、スリッポンとして使えることです。
着脱しやすいような紐の締め加減で、「脱ぐためのフィッティング」をして、出掛け先で歩くことが長引いたら、紐を締め直し「歩くためのフィッティング」に変えることができます。
スリッポンとして使う場合に忘れてはいけないのが、靴べらを使うことです。
靴のかかとは、安全に快適に歩くためのガードレールです。
いずれにしろ、用途に合わせた靴の選択と、適正な着用が不可欠です。
年号が変わって平成を見送っても、「靴の5W1H」は、見送らないで下さいね。
上級シューフィッター・ウォーキングマスター・レザーソムリエ 永田聖子