2018年08月15日

Leather RevealNo.8 水と皮と革

みなさん、こんにちは。
レザーソムリエの永田聖子です。

早くも立秋を過ぎ、残暑厳しい中にも、季節の移ろいを感じるようになりました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

今年は、雨も日照りも極端な夏で、水への恩恵と畏怖が身に染みるような思いをしました。
さて、水と言えば、皮を革に鞣(なめ)す時にも、その恵みが欠かせません。
原皮を輸送したり、鞣す時まで塩漬けにしますが、それを洗い流して鞣しに備えるのを皮切りに、酸化させたり還元させたりする時にも、大量の水を必要とします。
大きなタンクに皮と水や薬品を入れて撹拌します。
作業には、何度も大量に水が使われるので、多くの鞣し工場が川のそばに作られています。
そして、その水質によって、革の鞣し上がりの風合いが変わるそうです。

ところで、日本では、環境付加が少なくなるよう、「日本エコレザー基準(JES)」が設けられています。
鞣しに使われた、排水や廃棄物の処理が適正に管理された工場で製造するなど、認定基準がいくつかあります。

海洋国でもあり、 豊かな森と四季に恵まれる山谷の国、日本。
多くの河川があり、革は川の恵みに支えられています。その環境を、大切にしたいものですね。

上級シューフィッター /ウォーキングマスター/レザーソムリエ 永田聖子
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2018年08月10日

高齢者の足と靴 

立秋を迎え、かすかに気温が下がった感じがします。
今朝は蝉の声が一段と元気よく、昆虫も暑すぎると元気ないように感じます。
この暑く、湿度の高い状態は高齢者には厳しい状況です。
外に出ることも制限されて、運動不足にもなってしまいます。
お買い物などで、歩く機会を増やすのも良いでしょう。
小さな努力を重ねて欲しいと思います。

この暑さで、靴も傷みやすくなります。
車に置きっぱなしという事はないと思いますが、ご注意ください。
靴も暑さの中では弱いのです。
装具をつけている方は点検もしてみてください。
ベルトの装着が緩み、危ない気がするからとお持ち頂いた装具です。
ベルトが随分緩くなってしまっています。
高齢者に限らず、足に合った装具であれば修理して使いましょう。
ご本人も希望されていましたので、ベルトの修理を致しました。
中々、修理や、微調整をしてくださるところがありません。
新しいものを勧められる場合が多いのですが、職人のいるお店、修理のできるお店を見つけておくことも大切です。
しっかりとベルトが治り、快適に歩くことができます。

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例年にない猛暑です。
しっかり食べ、歩き、水分補給を心がけてください。
食べること、歩くことなく、水分補給だけというのは、お勧めしません。
足は、しっかりと使ってください。

シューフッター 池川成子
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2018年08月05日

靴のクレームは多種多様

世の中にクレームのない商品はないと言われるが、靴のクレームほど千差万別でその内容が多義にわたるものはないでしょう。 
今まで顧客と接し二度とないと思われるようなクレームもあるが、靴は全ての方が常に使用する履きものですから誰でも情報を得ておくことは大事である。
一般消費者もテストをしている機関があることを知って頂きたい。
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そこで、東京都立皮革技術センター台東支所に寄せられたクレーム品について紹介します。
「靴のクレーム事例から品質を見直す」として2013年から10回にわたってに取り上げられている。

2013年 163「靴底に関わるクレーム 屈曲割れ、摩耗、トップピースの
摩耗」
2013年 164「靴底Aとして 層間剥離(ミッドソールの剥離〔はくり〕)
        や滑り」
2013年 165「接着不良」
2014年 169「靴底の圧縮エネルギー(安全靴やヘルメットなどの圧迫時の
有効仕事量)とは」
2015年 174「ウエッジヒール」
2016年 176「甲部の変色に関するクレーム」
2016年 178「甲部の屈曲割れ・縫い目切れに関するクレーム」
2017年 180「靴の内側に関するクレーム」
2017年 181「見えない部品に関わるクレーム」
2018年 184「購入後に履きにくくなったクレーム」
以上の10冊に具体的な事例が107例 登場し試験および考察が加えられている。
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一例として「革底の摩耗が早い」について(以下、かわとはきもの から)
革製表底の片側に穴が開いてしまったとのクレームである。 穴の開いていない反対側もかろうじて持ちこたえている状態であったことから、使用限度に達したと判断しなければならない、とある。 革製表底は摩耗が激しいと言われているが、重要なポイントはどれくらいの期間着用できるかである。 今から25年ほど前、我々が行った実験において、紳士用のレギュラータイプで革製表底で50万歩、軽量化した底革で30万歩しか使用できなかった。 ゴム製の場合100万歩使用しても摩耗量が0.5 mm以下であった。

革製表底は早期に摩耗をしてしまうし、水と熱にも弱く繊細な底材料である。 しかし欧州での生産量は60年前と全く変わっていない。 これは驚異的なことである。 蒸れない、履き心地が良い、として高級靴に今でも使われているので愛用者は今でも減らない。
このことを伝統的な郷愁として捉えるのではなく、履き心地を科学的に捉えようとする動きも始まっている。と結んでいる。
以上「かわとはきもの・東京都立皮革技術センター台東支所発行」から(写真とも)

『履き心地を科学的に捉えよう』このような提言を大事にしたい。 履き心地という極めて難しく面倒な事柄について、我々はまだまだ論議が尽くせないでいます。 人の感覚という境地にはなかなか入りにくいというものの科学の目で追及することは重要である。
シューフィッター 【大木 金次】




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